子供が大好きなパパほど注意……子供の成長を妨げる「ヘリコプター・ペアレント」とは?
2019/07/19
可愛さのあまり我が子を監視するように見守ってしまう……そんな経験はないだろうか。もしあるなら、あなたも「ヘリコプター・ペアレント」の素質を持っていることになる。親の過保護は子供の成長に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要だ。
ヘリコプター・ペアレントとは?
「ヘリコプター・ペアレント」という言葉は、子供がやること全てに過度な注意を払ってしまう親を指し示すものだ。子供が視界から外れることを許さず、自分の世界を探求することを妨げてしまう。彼らは、ヘリコプターのように子供を上空から監視しているのだ。
この言葉は、『愛と論理の子育て』の著者であるフォスター・クライン氏とジム・フェイ氏によって考案され、いわゆる最初のミレニアル世代が大学生になるあたりの2000年代前半に広く知られるようになった。
ミレニアル世代を、自意識に敏感な「雪の結晶世代」と呼ぶのが一般的になっていくにつれて、ヘリコプター・ペアレントへの批判も高まっていった。ザ・サン紙ではヘリコプター・ペアレントに関する特集が組まれ、その由来と子供への長期的な影響が論じられた。
メトロ紙でも同じ話題が取り上げられ、その危険性と、ヘリコプター・ペアレントにならないようにすることの難しさが指摘された。BBC(イギリス国営放送)は、自分がヘリコプター・ペアレントかもしれないという不安を持つ親を対象に、オンラインでの診断テストまで行った。
ヘリコプター・ペアレントが
もたらす悪い影響とは?
アメリカ心理学協会の調査によれば、ヘリコプター・ペアレントが子供に与える影響は、ほとんど全てがネガティヴなものだという。ヘリコプター・ペアレントに育てられた子供は非常に反抗的で、不満を溜め込むようになってしまう。
感情のコントロールが苦手になってしまうので、ちょっとでも苦しい状況に置かれるとすぐに我慢ができなくなる。きちんとした振る舞いができず、新しい環境に適応することができない。つまり、親が子供をコントロールしすぎると、子供の学校生活へダイレクトな悪影響が生じることになるのだ。
さらにフロリダ州立大学が2016年に行った研究によれば、ヘリコプター・ペアレントに育てられた子供は健康面でも問題を抱えるようになる。また、若い頃から独立心が欠如しているため自分で身を立てることができず、甘やかされたため自尊心も強くなるという。
過保護な親になるのをやめよう
子供が心配な気持ちはよくわかる。しかし、ヘリコプター・ペアレントのように振る舞うことが悪い結果に繋がることは間違いない。子供が大人になったときに必要な自立心を育むことが全くできなくなってしまうからだ。
子供を信じ、もっと自由を与えてみよう。そうすれば子供の意外な成長に驚かされるという経験もできるようになるだろう。子供の面倒を見るタイミングと、自由にさせるタイミングを見極めること。例えば、電車に乗るときとか、服を選ぶときに、子供に自由にやらせてみるといいだろう。子供に自立のためのスキルを磨かせること、それが親に求められる使命なのだ。
TEXT:Michael Higgs
FQ UKより転載