教育熱心なパパほど注意!「タイガー・ペアレント」が奪う子供の未来
2019/05/14
厳しすぎる教育法は、子供に立ち直れないダメージを与えてしまう可能性もある。あなたは「タイガー・ペアレント」になってはいないだろうか?この記事では、子供に過度な期待を寄せる教育の危険性について考える。
タイガー・ペアレントって?
この言葉は、イェール大学のエイミー・チュア教授が「タイガー・マザーの賛歌」と題した書籍で使用したもので、子供に多くのことを要求し、厳しい摂生と心理的な抑圧を強いる親を指し示したものだ。
元々は中国の文化を参照して、称賛の意味合いでも使用された言葉だったが、他の文化圏での厳しい教育を論じる際にも使われるようになった。
「教育ママ」という言い方がニュアンスとしては近いかもしれないが、タイガー・ペアレントは父親にも同じように使用される。
キャメロン元首相の演説
デーヴィッド・キャメロン元首相は2016年の演説でタイガー・ペアレントの教育を推奨する立場を示した。
「あなたがどれほど頭脳明晰な人であったとしても、継続的な努力や、失敗から立ち直る姿勢を持ち合わせていなければ、そのポテンシャルを発揮しきることはできないだろう。『タイガー・マザーの賛歌』で語られたことが全てだ。一生懸命働き、挑戦し、いつかは報われると信じて、何度でも立ち上がろう」と彼は演説で述べたのだ。
タイガー・ペアレントの
ネガティブな側面
しかし、非現実的な期待をすることは、子供にとっても親にとっても良いことではない。
勉強が得意な子もいれば、そうではない子もいる。
クラスで最高の成績を取れなかったからといって子供を罰するやり方は、あまりにも不当なのだ。
親から叱られるのではなく、褒められるという経験は子供に自信をつけさせるために非常に重要なものだ。テストの結果が良かったときにしか褒められないのでは、子供のストレスは増大していく一方だ。
タイガー・ペアレントの教育は、子供の社交性や自立性、創造力をないがしろにする危険性を持ち合わせていることを知っておかなければならない。
そして、それは子供だけの問題ではない。クイーン・メアリー大学の研究では、子供の日頃の活動を常に監視し、付いてまわっている親の幸福度は、通常よりも低くなるということが明らかになっている。
タイガー・ペアレントから
脱却するには?
もちろん、ハードワークを善しとする価値観や、子供に素晴らしい学業成績を求める教育にも良い側面はある。しかし、子供に理不尽な期待を押し付けないよう注意しなければならない。
まずはあなたの子供ができることを知り、どのようなやり方が合っているのかを一緒に考えるところから始めてみてはどうだろう。
TEXT:Christian Butler
イギリスの育児雑誌「FQUK」より転載
父親の育児雑誌『FQ JAPAN』の兄弟誌。セレブパパの子育てインタビューや、最新の育児アイテム、お出かけ情報などを配信している。