夜更かしは脳の成長を妨げる!? 子供が眠れない夜に試してほしいこと
2019/05/02
子供の寝かしつけは、親にとって最も難しいことの一つ。子供が眠れずに苦しんでいるのに、自分は何もすることができない……と困った経験があなたにもあるはずだ。ここでは、子供がなかなか寝付けないときにに実践してほしい対処法を紹介する。
睡眠と脳の関係
睡眠は子供の成長に欠かせない。人間の脳は20代半ばくらいまで成長を続けるので、子供のうちからできるだけたくさんの睡眠をとったほうがいい。
睡眠不足は、気分の悪さ、病気、鬱を引き起こし、さらには肥満の原因にもなる。もし親が子供の睡眠をアシストしてあげれば、これらの症状は防げるし、子供がぐっすり眠ってくれれば、自分自身の睡眠時間を確保することもできて一石二鳥だ。
就寝時間を
少しずつ早める
子供に健康的な睡眠をもたらすためには、まずルール作りから始める必要がある。計画を立てて、ルーティンを作ってあげよう。大切なのは、この計画を子供と一緒に立てるということだ。そうすれば、子供も発言権をもらえたことで満足できるし、自分が作ったルールなのだからしっかり守ろうという気持ちになれるのだ。
最初に決めるべきことは就寝時間だろう。もし最近寝るのが遅くなっていると感じたなら、最初は少しずつでいいから、徐々に就寝時間をずらしていくのがいい。例えば、20時には寝てほしいのに21時に寝てしまっている場合、最初の数日間は20時45分に就寝時間をずらし、慣れてきたら20時30分に……といった感じで、理想の就寝時間に少しずつシフトしていくのだ。
この就寝時間ずらしのテクニックは成功率が高いのだが、気をつけなくてはならないのは、時間をずらすのを急ぎすぎると子供にネガティブな印象を与えてしまうということだ。例えば、あまりに早い就寝時間を設定してしまうと、子供が寝付けず、フラストレーションばかりがたまって、全ての計画が逆効果になってしまうので注意しよう。
就寝前には
スマホを見ない
子供が眠る前の1時間は、静かな時間を過ごすようにしたい。それは部屋を図書館のようにするということではなく、心を静められる環境をつくるべきということだ。
まずは部屋の明かりを暗くすること。そうすれば脳が就寝に向けた準備を始めてくれる。部屋の明かりや、電子機器から発せられるライトは、メラトニンのレベルを低下させる。「まだ疲れていない」と脳が錯覚することで、むしろ脳の活動を活性化させてしまうのだ。テレビやパソコン、その他スクリーンのあるデバイスは電源を切って、子供たちから遠ざけるようにしよう。
その代わりに、寝る前はお風呂の時間にしたり、歯磨きの時間にすれば、きっと子供たちも健康的な睡眠を手にすることができるだろう。
寝る時のルールを
守らせるには?
このような新しいルールを課すと、子供たちの反発を買う可能性もある。泣かれてしまうこともあると思うが、取り乱さずにもう寝るべきだということを伝えて、安心させてあげよう。子供の部屋に何度か立ち寄るうちに子供たちも言うことを聞いて、眠りにつこうとするだろう。言い争いは子供たちを興奮させ状況を悪化させるだけなので、常に平静を保ち、子供たちが心を落ち着かせられるように誘導してあげよう。
子供たちがベッドから出てきてしまうという問題もある。そんなときは子供たちをベッドに戻し、ドアを閉めるよと伝えてみよう。子供たちの多くはドアを開けっ放しで寝ることを好むのだが、実力行使でそのドアを閉めてしまうのだ。
どうしてもベッドから出てきてしまうときは、ドアを数分間閉めてみること。ベッドから出てこなくなったら褒めてあげて、ドアを開けてあげよう。そうでなければ寝るまでのあいだドアは閉めっぱなしだ。良い行いをしたら次の日に褒めてあげることで、子供たちもルールを尊重し、それらを守ることにポジティブな感覚を持つようになるだろう。
子供たちは、一貫した就寝時間と毎夜のルーティンを通じて成長する。脳の成長にとって、就寝時間が一定であることは、睡眠時間が長いことよりもさらに重要であるということが研究で明らかになっている。
子供たちを毎夜のルーティン作成に関わらせることで、ルールを守ることにより協力的になってくれるだろう。子供たちの生活リズムを正すことができれば、あなた自身の睡眠も良質なものとなり、好きなことに充てられる時間も増えていくはずだ。
TEXT:Sam Skelding
兄弟誌FQ UKより転載