夫婦生活はキャスターボード?家庭を支える平衡感覚
2018/05/24
キャスターボード「リップスティックDLX」というヒット玩具をご存知だろうか? ボードの上で体をひねりながら前進する玩具で、 遊びながらバランス感覚が鍛えられる。その玩具を扱うのが2018年、30周年を迎えたラングスジャパンだ。お話を伺うと、あらゆる面においてバランス感覚を磨く大切さが見えてきた。(後編)
バランス③ 会社での仕事は練習、家庭が本番。
車輪は一方に力が入りすぎるとすぐにバランスを失う
夫と二人三脚で会社を立ち上げた小林社長。仕事と家庭は人生における両輪であり、大切なのはそのバランスだという。「私にとって難しかったのは、バランスをとること。ビジネス経験もない主婦が3人の子供を育てながら会社を立ち上げるのも大変でしたが、家庭とのバランスをとることが一番難しく、今も課題は山積み」。
車輪はどちらか一方に傾くと、たちまちバランスを失う。「バランスをとることに比べたら、仕事にただ打ち込むだけなら、簡単!」と笑顔で言い切る。「だからスタッフには”仕事は練習、家庭が本番”という話をよくします。仕事で嫌なことや大変なことがあったら、それを乗り越える力を職場で鍛え、取引先を満足させるホスピタリティーを身につけたら、今度はその力を使って家族を笑顔にしてね、と」。
バランス④
夫婦間にルールを作ると柔軟性が妨げられバランスは取りにくくなる
「相手の動きに気を配っていたら、次に自分のすべきことは自然にわかってくるもの。だから我が家にはルールはないんです」。小林家には、食事当番や皿洗い当番、お迎え当番といった役割分担はない。ルールを決めると夫婦間の家事量と子育てバランスが保たれるように見えるが、むしろ逆効果になる危険性もある。
「お天気が毎日違うように、日によって状況も条件も異なります。だから時間的・精神的・体力的に余裕がある方がやればいい。そのためには、お互いがそれぞれの動きをよく感知して、思いやることが大切ですね」。
感知とは、外界の変化に直感的に感じて気づくこと。まさにキャスターボードで必要とされるバランス感覚そのもの。感知できれば、想定外のことにも即座に反応できる。「もし仕事と家庭のバランスをとる自信がないなら、優先するのは家庭」。
私は仕事に力を入れすぎたと子供たちに申し訳なく反省も含め、今働く娘をサポートしてます。アスリートの場合は、バランスを保つことで、安定したパフォーマンスを発揮し、競技能力を向上させる。夫婦間もバランス感覚がないと、お互いの能力向上は望めない。
バランス⑤
頭と体と心。仕事と家庭。人と人。すべてはバランスで成り立っている
キャスターボードはバランス感覚を鍛える”遊び”だ。できないことに果敢に挑戦し、できるようになった喜びを味わい、次の新たな試みへ挑む。遊んでいるうち体幹が鍛えられ、気づくとケガも病気もしにくい体になっている。これこそ人々にワクワクを創出するラングスジャパンマジックともいえる好循環だ。
さて、あらためてバランスとは? キャスターボードに乗った人ならわかるが、スピードが予想以上に出たり、思わぬデコボコにしょっちゅう出くわす。”想定外の外的刺激を楽しめ!”そんなメッセージがラングスジャパンの玩具にはある。
「ジムに配属されているスポーツ万能で筋肉隆々なトレーナーたちでも、初めは全く乗れないんですよ(笑)。でも、練習すればバランス感覚はすぐ磨かれます。大人はリップスティックを子供が遊ぶものと決めつけていますが、代官山のジムではキャスターボードを使ったパパ向け体幹トレーニングもやっています。ぜひ挑戦してみてください」。
Photo >> NATSUKI MATSUO(NAOTO OHKAWA PHOTOGRAPHY.inc) T
ext >> MIKAKO WAKIYA
FQ JAPAN VOL.46より転載