赤ちゃんを乾燥肌から守る、6つの正しいスキンケア
2017/01/30
大人の肌よりも薄く、デリケートな赤ちゃんの肌を冬の乾燥から守るには“皮膚のバリア機能”を健全に保つことが大切。そのために必要なのが「攻めのスキンケア」と「守りのスキンケア」だ。正しいスキンケアで、冬を乗り切ろう。
日本人のキレイ好きは危険?
最適な肌ケア方法とは
「守りのスキンケア」とは、皮膚のバリア機能を保つこと。「攻めのスキンケア」は、保湿剤など肌に直接何かを塗ってさらにバリア機能を高めることである。乾燥してカサカサしている、赤みがある、湿疹ができたなど、赤ちゃんの肌にトラブルが起きたとき、保湿クリームやワセリンを塗るという「攻めのスキンケア」は、多くのパパママがすでに実践しているだろう。しかし、バリア機能を有害なものから守る「守りのスキンケア」に着目することが重要だと、江北皮フ科・院長の池田先生は話す。
「僕が育休を取得してわかったことは、日常生活において、バリア機能を損なうものが身の回りにたくさんあり、それらを排除する大切さがほとんど理解されていないことでした。日本人は世界でも有名な、キレイ好き・お風呂大好き民族ですが、毎日お風呂に入って、石けんでゴシゴシ洗うと、必要な表皮を削り取ってしまったり、皮膚のバリア機能のある角質層を傷つけてしまうことに。お風呂は週2〜3回、石けんは基本使う必要はありません。ただし、皮膚のバリア機能をよい状態に保つためには「攻め」と「守り」両方のスキンケアを取り入れていくことが大切です。そうすることで、赤ちゃんの肌を健やかな状態に保つことができます」。
皮膚のバリア機能を高める
「攻めのスキンケア」
1. お風呂上がりにはしっかり保湿
入浴して角質層がふやけると体内の水分が外へ逃げていくことに。入浴後は保湿剤を塗って水分の蒸発を最小限に食い止めることが大切。保湿剤は基本的には刺激の少ないワセリンがオススメ。
2. カサついているときはこまめに塗る
直接肌が外気に触れやすい顔や口のまわり、耳、首、手足はカサカサしたり、赤くなりがち。そのような状態が見られたら保湿剤をこまめに塗ろう。嫌がる場合は、身体をツンツンしながらサッと塗るなど、遊びの一環としてトライ!
3. 顔を拭いたときや着替えのときにも保湿を
赤ちゃんの肌は水分を失いやすいので、お風呂上がりだけでなく食事の後などで口や顔の周りを拭いた後にも保湿を。朝起きたとき、おむつ替えや着替えのとき、お出かけ前にも保湿ケアを心がけよう。
皮膚のバリア機能を保つ
「守りのスキンケア」
1. お風呂は週2~3回でOK
毎日の入浴は肌バリア機能を傷つけ、低下させるだけ。週2~3回の入浴でも十分清潔を保てる。口のまわりの食べこぼしやうんちの汚れはその都度ぬるま湯でサッと流せばOK。
2. お風呂の湯温は37~38度、浸かる時間は2~3分がベスト
熱いお湯に長時間浸かると皮膚がふやけて皮脂や天然の保湿成分が溶け出してしまい、かえって乾燥肌になってしまう可能性が。パパと一緒に湯船に入る場合は、ぬるめのお湯にさっとつかるのがベター。
3. 基本石けんは使わない
石けんには汚れやウイルス、病原菌を落とす効果があるが、大切な皮膚のバリア機能まで落としてしまうリスクが。そのため、普段は石けんを使わず、弱めの水圧のシャワーで汚れを洗い流すだけで十分。石けんを使うのはとびひなど細菌感染症のときだけに。
江北皮フ科・院長
池田大志 先生
2004年徳島大学医学部卒業。長女が誕生した際、育休を半年取得したイクメンで、現在は3児の父。乳腺外科医である妻とともに、働きながら育児に奮闘中。著書に『男が育休を取ってわかったこと』(セブン&アイ出版)、『10万円のクリームより効く「何もつけない」スキンケア』(マキノ出版)がある。
Text » SHIHO HIRATA
※FQ JAPAN DIGEST VOL.39(2016-17年冬号)より転載