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「イクメンプロジェクト」で
父親の仕事と育児の両立を支援

職業家庭両立課では、男性の育児参加の促進や女性の社会的活躍の支援、男女の働き方の改善などについて、広く取り組んでいます。これらの問題は複雑に関係し合うものですが、〝ワーク・ライフ・バランス〞というテーマに集約できると思います。

2020年までに男性の育児休業取得率13%に

私たち職業家庭両立課では、男性の育児参加の促進や女性の社会的活躍の支援、男女の働き方の改善などについて、広く取り組んでいます。これらの問題は複雑に関係し合うものですが、〝ワーク・ライフ・バランス〞というテーマに集約できると思います。

ワーク・ライフ・バランスという言葉は、少しずつ社会に浸透してきましたが、未だに「プライベート優先で仕事は二の次」という考え方ととらえられることも少なくありません。そうではなく、「時間あたりの生産性を上げて長時間労働を回避し、その時間を家族との時間や自分のスキルアップに充てる」という考え方です。男性の育児休業取得促進なども含めて、企業戦略として働き方の改善に取り組む会社もあり、いま日本社会は転換期にあると言えるでしょう。

また、男性が家庭を支えることにより、女性が社会で活躍しやすくなります。安倍内閣も重要なポストに女性を登用することに積極的ですし、国としても「2020年までに、あらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度」にするという目標を設定しています。これに関しても、独自に数値目標を設けて取り組む企業も出てきています。厚生労働省では、父親のワーク・ライフ・バランスに焦点をあて、2010年度より「イクメンプロジェクト」を展開しています。積極的に育児に参加するイクメンやイクメン企業を社会に周知し、その数を増やすべく、ホームページの運営や企業向け啓発セミナーを実施してきました。

また、昨年度からは「イクメン企業アワード」として、男性の育児参加の支援に力を入れる企業を表彰する事業をスタートさせました。この5年間で「イクメン」という言葉はすっかり定着し、現在までに、1800名以上の男性が、ホームページを通して「イクメン宣言」をされています。今後は、イクメンのイメージをさらに向上させるだけでなく、イクメンたちの仕事におけるマネジメント力や育児体験など、実際のノウハウを共有できるような仕組みを整えていきたいと考えています。

制度面でいえば、育児休業給付金の給付割合が、今年4月から引き上げられ、育児休業開始前賃金の67%(休業開始から6ヶ月間)となりました。また、あまり知られていないのですが、育児休業給付金は非課税ですし、育児休業中の社会保険料は免除されますから、手取り賃金と比べると休業前の約8割が支給されます。

このような制度、正しい情報を周知することもまた、重要なことと考えています。2012年度の男性の育児休業取得率は1.89%です。これを2020年に13%にするのが目標です。男性の育児参加が進むと、女性の継続就職率が上がったり、第2子、第3子の出生率が上がるというデータもあります。ワーク・ライフ・バランスへの取り組みは、女性の活躍の促進や少子化対策にもつながるのです。

意外と知らない! 育児休業

●妻が専業主婦でもOK
配偶者が専業主婦(夫)であっても、育児休業の取得は可能。

●育休中は経済的支援あり
雇用保険より支給される育児休業給付金は非課税(所得税が課されない)で、2014年4月から給付率が67%に引き上げ(休業開始から6ヶ月間)。手取り賃金で比べると休業前の約8割が支給される。(なお、2014年4月からは産休中の社会保険料も免除)

●子の看護休暇制度
小学校就学前までの子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度として子の看護のために休暇を取得できる。

●育児休業は1日から取得できる
育児休業を取得することができるのは、原則として子が出生した日から子が1歳に達する日までの間で労働者が申し出た期間。

●パパ・ママ育休プラス
夫婦がともに育児休業を取得する場合は、育児休業取得可能期間が2ヶ月延長(子供が1歳2ヶ月までの間で1年間取得可、育児休業給付金も支給)。

●育児休業の再取得が可
出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、再度育児休業の取得が可能。

中井雅之
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課長
◆両立支援のひろば  www.ryouritsu.jp/hiroba/
◆全国のくるみん認定企業 www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukin tou/kijuntekigou/
◆Twitter公式アカウント @ikumen_project

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