ヨガをベースにしたストレッチで産後ケア!短時間でココロ・カラダを癒そう。
2022/11/19
出産後は赤ちゃんのケアに目がいきがち。でも出産という大仕事を終え、慣れない育児に奮闘する産後ママの負担は、心身ともに絶大だ。心とカラダをサポートする“産後ケア”について専門家に聞いてみた。
産後は慣れない育児の中で
負担が絶大
育児で頻繁に行うおむつ替えや抱っこ。その姿勢は腰痛や肩こりなどにつながりやすい。カラダに不調が起き、疲れを感じやすくなると、果ては産後うつにまでつながることも。日々の、ちょっとした「動き」で不調や産後うつを予防しよう。
ひとりでできるストレッチ
魚のポーズ
肩こり・頭痛の解消に。長時間の抱っこや授乳は背中が丸まりやすい。丸まった背骨は椎間板~背中
の筋肉に負担が。デスクワークでの猫背解消にも効果的!
<手順>
1 仰向けになる
2 腕を背中の下に入れ込む
3 肘で床を押し、背中を床から浮かせる 腰ではなく、胸を反らせる意識が大事!
4 肩甲骨を寄せ、頭部を後ろに反らせる
屍のポーズ
ストレッチどころではない……そんなときは休息を。全身を脱力し、手足が重くなるイメージをしながら腹式呼吸。副交感神経のスイッチが通常よりも早く深くなり、短時間でも良い睡眠、疲労回復になる。
<手順>
1 仰向けで大の字になる
2 全身の力を抜いてリラックス
3 手足や瞼などがずーーんと重くなるイメージをする
ペアで行うストレッチ
バタフライ・ストレッチ
実は抱っこは肩甲骨に非常に負担が。肩甲骨が前方へ出てしまうと、体の前面にある胸の筋肉が萎縮し、肺が圧迫され、呼吸が浅くなってしまう。このストレッチは1人では伸ばし切れない胸を2人で行うことでぐっと開く。肩甲骨の崩れを矯正!
<手順>
1 ストレッチしてもらう人はあぐらなどで座る。腕を横に広げ肘を90度に曲げる
2 手伝う人が後ろに立ち、背中を膝で固定し寄りかかってもらう
3 座っている人の腕を、面で支え後方にゆっくり引く
アント・ストレッチ
抱っこは胸椎にも負担がかかる。胸椎は肩甲骨の中側に位置する背骨で、胸椎のパーツがズレると背部痛などが起こりカラダの辛さが倍増。産後ママから「あれ、やって!」とリクエストがくるほどにすっきりする2人ストレッチ。
<手順>
1 受け手(ストレッチしてもらう人)はあぐらなどで座る。両手を首の後ろで組む
2 手伝う人が後ろから受け手の前腕を持つ。両膝を受け手の背中の真ん中辺りに固定する
3 手伝う人が、受け手の前腕をゆっくり後方に引く。両膝に受け手の体重が乗るようにする
ママへのご褒美、産後うつの回避にも『産後ケアホテル』が良いらしい。
心身の変化やパパとママ2人きりでの子育て……。そんな心配の多い産後のパパとママをサポートし、ママのカラダをケアしてくれるのが『産後ケアホテル』。こういった施設も活用しながら産褥期を乗り越えていこう。
教えてくれた人
神戸貴宏さん
株式会社Body Design Studio ASK代表取締役。フリーランスのトレーナーとして独立後、スポーツトレーナー養成専門学校の講師を務め、千人以上のトレーナーを輩出。整体×ヨガ・ストレッチ×ピラティスの3本軸で、体の不調を根本改善する「スタジオアライメント」など3つのジムを運営。
HP:https://alignment.tokyo
イラスト:岡本倫幸
FQ JAPAN VOL.64(2022年秋号)より転載