【育休パパのすすめ】法改正で男性育休はどう変わる?特徴とポイントを解説
2021/11/03
今から約10年前にはわずか2%だった男性の育児休職取得率。2020年度には12.6%まで上昇した。しかし、まだまだ希望していても取得できなかった男性も。それを打開すべく、育児・介護休業法が改正された。
育休を取得しやすい環境へ、
新たな制度が創設
今から約10年前の平成22年、男性の育児休業取得等に対する理解を深め、社会気運の醸成を図ることを目的に「イクメンプロジェクト」は発足しました。
これまで実施したキャンペーンや企業表彰、イクボス表彰などの取り組みの成果もあり、当時、2%以下だった男性の育休取得率は、令和2年度には12.65% ※1にまで上昇しました。
しかし、政府目標「令和7年までに30%」という数字には、開きがあるのが現状です。また、育児休業の取得希望があるにも関わらず、取得できなかった男性社員は37.5% ※2にのぼります。
取得が進まない主な原因に、「業務の都合」と「職場の雰囲気」が挙げられます。そこで、男性の育児休業取得をより一層推進するため、令和3年6月、企業における職場環境の整備やこれから子供が生まれる従業員への育児休業等の個別周知・意向確認など新たな取組の義務付け等を内容とする改正育児・介護休業法が成立し、来年4月1日以降順次施行されます。
これにより男性が育休を取得しやすい環境が整備され、職場の雰囲気もガラリと変わることを期待しています。
今回の法改正では、労働者が出生直後の時期に柔軟な育児休業を取得できるような、新たな制度も創設しています。主な特徴は、次の4項目です。
❶対象期間・取得可能日数:子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
❷申出期限:原則休業2週間前まで
❸分割取得:分割して2回可能
❹休業中の就業:労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能
改正法の施行を着実に行うことで、これまで以上に男性の育休取得を促進し、男女ともに仕事と子育てを両立できる環境の整備を推進してまいります。
※1 厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」
※2 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成30年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査」
600人以上が参加した
大盛況のオンラインセミナー
7月6日に開催したイクメンプロジェクト主催「男性育児休業取得促進オンラインセミナー」には、約660名の企業人事担当者や個人などに参加いただき、法改正の概要や企業が留意すべきポイントなどをご説明しました。
終了後のアンケートでは、「改正ポイントがよくわかった」「今回の制度変更を良いきっかけとして、社内の理解度を向上していきたい」「新入社員が結婚するまでに何とか安心して育休を取得できる体制にしていきたい」「経営陣の意識改革のほか、仕事の属人化解消がとても重要だということを感じた」といった前向きなコメントを多数いただくことができました。
イクメンプロジェクト公式サイト内には、セミナー資料や当日の模様を録画したアーカイブ映像が常時掲載され、企業の経営者・人事担当者はもちろん、男性の育児休業に関心があるすべての人に参考になる情報を公開しています。
今後も参加費無料で男性の仕事と育児の両立支援に取り組む企業・団体向けセミナー等を続々開催する予定です(令和3年9月〜令和4年3月)。
PROFILE
厚生労働省 雇用環境・均等局
職業生活両立課
イクメンプロジェクト
公式サイト:ikumen-project.mhlw.go.jp
文:脇谷美佳子
FQ JAPAN VOL.60(2021年秋号)より転載