子供が急な体調不良…でも仕事は休めない! 会社や法人の頼れる制度って?
2020/04/27
0歳から1歳の子供は、どんなに気を付けていても体調を崩すことが多い。子供はもちろん心配だが、「復職したばかりで休むのは迷惑がかかる」「これ以上仕事を休めない」と悩むパパママも少なくないだろう。そんなときはどこを頼ればよいのだろうか。
会社負担でベビーシッターを派遣
育休後の職場復帰をサポート
オリジナルブランド「マナラ化粧品」の開発および販売を行う、株式会社ランクアップでは、子供が体調不良の場合、ベビーシッターを社員の自己負担額300円で利用できる「病児シッター」制度を設けている。
日本では仕事中に子供が病気になった場合、ママが仕事を休む割合がパパに比べて圧倒的に高い。こうした事情が、女性が育休明けに職場復帰する際の妨げになることが多い。
【共働きカップル:お子さんが病気で自分は仕事! そんな時、どう調整していますか?】2019年3月ハフポスト日本版
同社の岩崎裕美子社長もその1人だった。岩崎社長は社内での出産第1号であり、復職後、彼女の頭を一番悩ませたのは「子供の体調不良」だという。
「いくら気を付けていても、0歳~1歳の間は、子供はすぐに熱を出すということを、身をもって経験しました」
同社では社員数60人のうち女性社員が48人。育休後、安心して復職できる環境を整えておかなければ、子育てとの両立が理由で退職に追い込まれてしまう社員が出るかもしれないと考え、岩崎社長はこの病児シッター制度を取り入れた。
未就学児の子供を持つ社員が対象の、この制度の利用費用は1日約3万円。費用はほぼ全額会社が負担し、社員負担は1回あたり300円のみで、何回でも利用できるのがポイントだ。対象となる子供を持つ社員の約80%が現在この制度を利用している。
この制度のおかげか、復職率はほぼ100%で、復職後1年以内の退職は0%と、子育てと仕事の両立を継続する手段として活用されていることが窺える。
株式会社ランクアップでは約9年前から子連れ出社制度も導入している。
社員を第一に考え、サポートを惜しまない会社に、社員側のモチベーションも上がるのだろう。同社の売上高は創業以来ずっと増え続けている。
勤務先だけではなく
居住地域内での支援も確認を
勤務先にこのような制度があるととても助かるが、どの会社も取り入れられるわけではない。しかし頼る先はある。
認定NPO法人フローレンスは、病児に特化した保育を首都圏で展開している。当日朝8時までに依頼すれば、100%保育が受けられるため、子供に急な発熱があっても安心して利用できる。会費制で会員相互が支え合う仕組みをとっており、月会費※は子供の年齢と利用頻度により変動する。
月会費に毎月1回目(8:00〜18:30の間で上限9時間の利用分)の保育料が含まれている。
また、行政による事業もある。定員が少ないという問題もあるが、対応する自治体が増えつつあるのは好ましい傾向だ。今後の設備と受け入れ定員の拡充に期待したい。
居住している地域で、行政、事業者からどのようなサービスが受けられるか、しっかりと確認しておこう。
DATA
文:平井達也