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今年のバレンタインは誰にあげる? 子供のバレンタインを嫌がるパパママも

バレンタインは子供たちの間にもすっかり定着しているが、パパママはわが子のバレンタインに無関心ではいられないだろう。もらったチョコを無邪気にかじる子供の背後に、贈ってくれた子のパパママの姿がちらついてしまうこともあるのではないか。子供のバレンタイン、どう考えればよいのだろうか。

子供のバレンタインの実態が判明

そもそもパパたちだって、今年も会社でチョコを貰えるか、気になっているかもしれない。貰えなかったらもちろん淋しい。一方、貰ったら貰ったで、1か月後のお返しに向けて頭を悩ますことになるだろう。

日本のバレンタインデーは、女性から男性に愛を告白できる唯一の日、として普及したが、今やそうした意義は薄まった。「義理チョコ」、「友チョコ」、はては「自分チョコ」、といった形に広まり、当初のロマンチックな空気をとどめつつもカジュアルな贈答儀礼として一般化したのだ。

子供たちにとっても基本的に事情は同じだ。子供とお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社が、今年のバレンタインを前に実態調査を行い、その結果を発表した。それによると、小学生以下の子供のうち40%以上が、昨年のバレンタインで誰かにチョコをプレゼントしていた。

ただし、プレゼントした相手は、7割が身内という結果になっている。可愛いものではないか。



パパママ側の関わりと
思いも明らかに!

さて、子供のバレンタインにパパママはどのように関わっているのだろうか。同じ調査によると、60%以上が子供と一緒にチョコを手作りしている。「市販品を一緒に買いに行った」を合わせると、ほとんどのパパママが子供のバレンタインに自分も関わっていることがわかった。

子供がバレンタインにプレゼントをあげることについてどう思うか、という質問には、64%が「自分も子供もあげたいと思っているので積極的に参加する」と回答。

お友達からバレンタインプレゼントをもらうことについてどう思うか、についても87%が「子供が喜んでいたのでよかった」としている。子供のバレンタイン活動に対して、パパママはおおむね肯定的だ。

一方でネガティブな声も寄せられている。

「親同士余り親しくないお友達だと、食品アレルギー等の事が心配ですね。出来れば、やり取りは、ない方が気が楽。」「手作りは不衛生と言うママ友の言葉から手作りを躊躇するようになった。」「人からもらうとお返しなど面倒なのでできるだけやりたくない。」といったものだ。どれも親側の気苦労を反映していて一理ある。


「贈る/受け取る」を学ぶ日に

バレンタインが下火になることは当分ないだろう。パパママも子供も、この儀式とうまく付き合い、できれば楽しむ道を探っていくしかない。

バレンタインについては商業主義に踊らされているという批判もある。しかしむしろ、贈り物とは市場主義を補うものだという考え方もできる。そもそも私たちはなぜ、人にものを贈るのだろうか。

文化人類学の知見は、贈与が、市場とは別に人間の集団を維持する機能を果たしてきたことを明らかにしてきた。贈り物とは、人間にとって不可欠で普遍的な営みなのだ。

わが子が大人になったとき、贈る/受け取るという行為と無縁ではいられない。そうしたシーンをうまく切り抜けられるかどうかが、人生の成否にも関わってきかねないことを、パパママたちは実感で知っているのではないだろうか。

子供時代のバレンタインが、そのときのためのトレーニングにもなり得る、ということも頭の隅に置いておきたい。

DATA

子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」


Text:平井達也

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