家事育児に賃金が支払われるとしたら一体いくら? ママが答えた平均金額は○○万円!
2020/01/21
パパママがそれぞれ担っている家事育児。賃金が支払われるとしたらいくらになるだろうか。その疑問を調べたアンケートで、パパとママの実感に差があることが明らかになった。あなたは、そしてパートナーは、月給いくら分の家事育児をしているのだろうか。
家事育児に対する
夫の主張と妻の主張
「シャドウワーク」という言葉を知っているだろうか。オーストリア出身の思想家、イヴァン・イリイチの造語で、報酬が支払われない労働のことを指す。まさに家事育児がそうだ。
男性が「外で稼いでいる」ことに意義を見出し誇りを持つ時代が長く続いた。しかし考えてみよう。家庭を維持するために衣食住を整える、生命をつなぐために子供を育てる、そんな仕事の方が人間にとってより基本的で本質的なものではないだろうか。
「ママの家事・育児に関する意識調査」を行ったのは象印マホービン株式会社だ。同社では2018年に「家事に関する“夫の”意識調査」も行っており、2つを比較することで意識のギャップが浮き彫りになる。
「夫婦間における家事・育児の分担具合」を聞くと、ママは92.4%が「自分の分担が多い」と回答。このうち28.6%が「家事・育児をすべて自分(妻)がしている」と答えており、「夫と平等にシェアしている」は、6.2%にとどまった。
一方パパに対する調査では、「家事をすべて相手(妻)がしている」は1.5%にとどまり、「平等に分担している」と考えているパパが25.5%に上ったのだ。さあ、事態を正しく認識しているのはどちらなのだろうか。
家事の分担はどのように決めた?
家事育児の分担をどのようにして決定したか、も尋ねている。
ママの回答で最も多かったのが、「生活の中で自然に分担ができた」で65.0%、次いで、「お互いのスケジュールに合わせて変動している」が15.9%、「夫婦間で話し合って決めた」が13.4%だった。
一方パパへの調査では23.1%が「夫婦間で話し合って決めた」と回答している。
そして、シャドウワークの月給換算の話だ。
夫婦の家事・育児の働きを月給に換算するといくらになると思うかをママに質問した結果は、平均額でママの月給は20万3,937円、パパの月給は12万8,564円だった。
パパへの調査でも同様の質問をしている。回答は、ママの月給は16万7,379円、パパの月給は15万7,428円で、その差は1万円に満たない。このギャップは何なのだろうか。
家事育児の価値
今回のママに対する調査では、家事育児の分担についての満足度も尋ねている。満足していると答えたママは40%だった。
また、夫婦仲が良い方だと思うかも尋ねていて、59%が良い方だと答えた。この2つの結果をクロス集計したところ、明らかな相関関係が見られた。夫婦仲が相当良いと回答した群では家事育児の分担の満足度についても79%が満足している。
一方夫婦仲が「どちらかというと悪い」「相当悪い」と答えた群では、家事育児の分担に満足しているママはほとんどいなかったのだ。
家事育児は家族の絆の問題であって、一般的な労働のようにはお金に換算できないのはもちろんだ。しかし長く、この社会は価値をお金に換算して考えることに慣れ親しんできた。
だからこそ、一度、家事育児を月給換算して考えてみるこのアンケート調査にも意味があるだろう。あなたもパートナーに尋ねてみてはいかがだろうか。「オレの家事育児って、月給にするといくら?」と。勇気があればの話だが。
DATA
Text:平井達也