取ればいいってものじゃない! ママが期待する有意義な男性育休って?
2020/01/07
この記事を読むあなたも現在、育休中かもしれない。だとしたら日々をどう過ごしているだろうか。休暇を取得したことはたたえたいが、もっと大切なのはどう育児に関わるかだ。ママたちを対象にしたアンケート結果から、「こんなことならパパは育休を取ってくれない方がまだマシ」という場合もあることがわかった。
どのくらいすればいいの?
育休中の家事育児
アンケートはママ向けアプリ「ママリ」を開発、運営しているコネヒト株式会社が日本財団と共同で実施した。対象はママリの利用者3,992人だ。
まず、子育てに身体的、心理的負担を感じているかを尋ねた結果が下のグラフだ。
6割のママが身体的、心理的に負担を感じていることを前提として押さえておこう。パートナーが育休を取得したのは508人だった。彼らが毎日どのくらいの時間、家事育児を担ったか質問した結果が以下。3人に1人は2時間以下だ。どう感じるだろうか。
育児期を乗り切るための3つの指標
アンケートでは次の3つの質問をしている。
①タスクの見える化ができているか。
家事育児について、どちらが何を分担するか認識を共有することが「タスクの見える化」だ。これができていないと責任を持って分担する関係が作れない。そして多くはママの方に負担が偏ってしまう。
②パパママで役割分担やお互いの要望を話し合う時間を持っているか。
③役割分担にパパママ双方が納得しているか。
この3つについて、パパが「育休を取得して家事育児の時間が5時間以上」「育休を取得して家事育児の時間が2時間以下」「育休を取得せず」の3群で割合を出した結果が以下だ。
「見える化」「話し合い」「納得度」いずれも、パパが5時間以上家事育児を担っている群で最も高い。興味深いのは、パパが育休を取っているのに家事育児が2時間以下の群では、3つの指標いずれも、育休を取得していない群より低くなっていることだ。
育休にあたっては
パートナーと相談を
育児中の現在の生活への満足度を10点満点で点数化してもらい、タスクの見える化、話し合い、役割分担の納得度との相関関係を表した結果も示されている。見える化、話し合い、役割分担への納得は、明らかに生活の満足度を上げているのだ。
また、パパに育休を取得してほしいかという質問には、イエス/ノーが拮抗するという意外な結果となった。
『パパの育休に期待すること』としてママたちが寄せたのは次のようなものだ。
●細かい家事や育児のタスクを分担する以上に、心理的負担を分担したい。
●しっかり自分の子供だということを知ってほしい
●主に家事と上の子のケア
●家事も育児も一通りできるようになって欲しい
●新生児の大変さを感じて欲しい。新生児のうちから育児を手伝って欲しい。
また、『パパに育休を取ってほしくない理由』としては次のような意見があった。
●普段から家事や育児をやってもらっているので特に必要と感じていない。
●夫の様子を見ると、子育てに自主的に取り組むとは思えないから
●自分のペースで子育てをしたいのとお給料の面で不安
●一人になりたいときもあるから、平日に1日とか休みをとってくれたほうが嬉しい
●夫婦二人でキャリアを喪失する必要はないと思う
ママ側の思いもさまざまだ。それぞれの家庭に合ったスタイルを、パートナーとよく話し合って決めることが大切だろう。パパの育休についても、休暇期間中の家事育児をどうするか、事前にパパママで納得できる分担を決めておこう。
DATA
Text:平井達也