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インタビュー

呪われた現代の父親たち。 スーパーマンであれ!という重圧からの解放:小島慶子

肩書きなんていらない。
男はもっと自由に生きていい

編集部:小島さんの旦那さんは、もともと家事も育児も日常的にやっていて、共働きのときは完全に入れ替え可能な夫婦だったそうですね。

小島:夫はもともと”家事は女のする仕事”という感覚がなく、家事はひと通りできる人です。子育ても、「自分の子供だから自分で世話をする」と行動で示してくれて、お迎えも私が行けないときは夫が仕事を一生懸命工夫して早めに切り上げて迎えに行ってくれました。「どうして子供を迎えに行くために早く帰るのか?」「かみさんの尻に敷かれているのか?」と思う人も会社にいたかもしれません。それでも構わず夫は子育てを優先してくれました。

編集部:今から16年前ですから、子育てパパを応援する企業なんてほぼ皆無です。男性は「男の子は泣いちゃダメ」「働いて稼いで一家を支えるのが男」と言われて育ちます。だから、『不自由な男たち その生きづらさは、どこから来るのか』で小島さんと男性学の田中俊之先生が「男は、競争を強いられてきた! もっと自由に生きていい」と言ってくれたので、解放された世の男性が多いのも事実です。

小島:私は、一部上場企業で働く商社マンの父と専業主婦の母の元に生まれました。女の幸せは高給取りのサラリーマンと結婚すること。それが母の信念でした。

もちろん私はそれを母から伝授され、玉の輿志向の女の子として育ちました。ところが大学1年の時、大手銀行に内定していた4年生の彼にあっさりふられ、銀行員の妻の座を逃したのが悔しくて泣いているうちにハタと男性を肩書きや年収で品定めしていた自分の浅ましさに気づき、男の人をあてにするような生き方はまっぴらごめん、と思ったのです。

編集部:「自分が本当に好きになった男性と結婚する」、男性がどんな肩書きだろうと「自分で稼ぐ」という道を歩み始めた瞬間ですね。めちゃカッコいいです。

小島:ところがどっこい、夫が仕事をやめて私が一家の大黒柱になってから、夫がちょっと高そうな髭剃りを買おうものなら「これ、買ってあげる」とか、「それ、誰に買ってもらったと思っているの?」といったことをやたらと言いたくなることがありました。イヤですよね。下品ですよね(笑)。

編集部:その心理を分析すると?

小島:子供時代に父から「誰のおかげで生きていると思っているんだ」と言われたことへの仕返しかもしれません。私は、復讐すべき相手ではない人に八つ当たりして発散していたのです。自分はなんて器の小さい女なのだろうと。

それと同時に、ひとりで家族を養うことや、年収も肩書きもない夫をどう扱えばいいのかということに戸惑い、取り乱していました。夫が無職になったことで、自分の中に無意識に抱えて混んでいた葛藤や醜い部分と向き合わざるを得なかったんですよね、非常に興味深い出来事でした。

編集部:ちゃんと逃げずに向き合ったからこそ、八つ当たりしたりパニックになったりしたのですね。

小島:昔「アナウンサーという生き方」という言い方をした人がいて、肩書きを生き方と同一視する視野の狭さに驚いたことがあります。立場と生き方を「=」で結んで考えるのは、そろそろやめにしたほうがいいと思いませんか? 家事労働は仕事と対立するものではないし、生きている限り必要なもの。例えばわざわざ「専業主夫という生き方」と言わなくても、当たり前の世の中にしたいですね。だって、立場は変わってもその人の価値は厳然として、常にそこにあるのですから。



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