30秒に1回、園児の顔を自動で撮影!? 保育の現場に「スマート保育園」の革命が押し寄せている!
2019/11/07
「スマート保育園」が実証実験へ!
保育の質の向上へ官民連携の施策
ユニファは、2017年、米サンフランシスコで開催された「第1回スタートアップワールドカップ(W杯)決勝大会」で優勝した実力の持ち主でもある。
IoTのビジネスモデルは数多くあるが、「スマート保育園」というのは他にない、とビジネスモデルのユニークさが審査員に高く評価された。
スマート保育園を実現するサービスが「ルクミー」シリーズ。保育士の業務負担を軽減し、余裕を持って子供と向き合える時間を確実に増やすための総合サービスの提供で、保育園に革命をもたらした。
「ルクミー」は顧客園数を急拡大させ、民間保育園の約4割に当たる6,250園が導入(2019年8月時点)。現在、約35万人の園児にサービス中だ。
また、2019年9月から埼玉県 × ユニファがIoT・AI等を活用した官民連携「スマート保育園」モデル実証実験を開始したことでも話題を呼んでいる。
無償で導入する施設は川口市、戸田市の保育園10か所。安全性確保を前提に、データから「効率化できる業務の整理」と「IT化への課題」等について検証する。
実証実験で導入するサービス
●園児のお昼寝中の体動や体の向きを記録する『ルクミー午睡チェック』、スマート体温計『ルクミー体温計』などにより収集したバイタル情報を分析し、子供の健康状態の異変を早期検知する「見守りAI」
●『ルクミーフォト』での自動撮影や音声録音のデータをAIが処理することで効率的に日誌を作成する「スマート日誌」
●『キッズリー保育者ケア』での保育園の組織診断。保育士専用の組織診断サービスで心のケアが行い、保育士ひとりひとりが笑顔で働ける環境作りをサポート
まとめ
保育の現場では、保育士の人手不足や保育の安全性確保等、喫緊の課題が山積している。
「スマート保育園」は、業務をIoT、AI等で効率化することで、保育士が子供と向き合う時間に集中できる環境を整えることで人手不足の解消や保育の質の向上を図るのが狙いだ。
保育・幼児教育の権威である無藤氏は、スマート保育園化の意義について「IoT化によって保育士が子供と向き合える時間が増え、人と人とが向き合うという本来の仕事に専念できれば、スマート保育園化は意味のあるものになる」と締めくくった。
徐々に広がりつつあるスマート保育園。モデル実証実験の検証によって、「保育の質の向上」と「待機児童問題の解消」、ひいては日本の少子化多問題解決につながることを期待したい。
DATA
<登壇者>
保育・幼児教育の権威である白梅学園大学大学院特任教授 無藤隆(むとう・たかし)先生
玉川大学教授・日本保育学会副会長 大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)先生
内閣府 子ども・子育て本部 参事官(少子化対策担当)南順子(みなみ・じゅんこ)氏
株式会社パパスマイル、代表取締役 永田哲也(ながた・てつや)氏
モデレーターとして、ユニファ株式会社 代表取締役 土岐泰之(とき・やすゆき)氏