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いじめっ子、いじめられっ子に育てないために。親が子供にしてあげられることは?

学校でのいじめは相変わらず大きな問題だ。小学校の先生同士のいじめまでニュースになっている今日、子供のために親には何ができるだろうか。欧米の教育のトレンドからヒントを探ってみよう。

子供に「エンパシー(共感力)」を身に付けさせよう

わが子をいじめっ子にしないために大切なのは、他者に共感する力を育てることだ。そのためのエンパシー(共感力)教育はカナダで始まり、世界各国に広まりつつある。

親にできるのは、自らが手本となること。パパとママがお互いに相手の立場を思いやり、共感しながら暮らしているか、子供たちはしっかり見ているのだ。

街に出れば障がいがある人ない人、外国人など多様な属性の人たちと出会う。パパママが共感を持って彼らと接しよう。子供に誤解を与えるような偏見など間違ってもないように。

買い物の際に店員と接する態度だって大事だ。そして子供にもさまざまな属性の人たちと接する機会を与えよう。他者に共感できる子供がいじめを行うことは少ないだろう。ただし、共感力が強過ぎると自分が生きづらくなることもあるので注意が必要だ。



「グリット(やり抜く力)」を
鍛えたいなら、子供の意思を尊重すること

グリットとは、困難を乗り越えて粘り強くやり抜く力こと。ペンシルバニア大学のダックワース教授が提唱し、最近では、「人生の成功はIQではなくグリットにかかっている」とまで言われている。

子供のグリットを高めるにはどうしたら良いだろうか。誤解されやすいのだが、スパルタ式に鍛えることでは決してない。子供の興味を尊重し、可能性を信じ、夢を肯定することが大切なのだ。

自分が肯定されていると感じられれば、子供は自ら粘り強く頑張る力を持っている。確かにいじめにおいては、誰もが標的になりうる。ただ、いじめる側は相手の反応を楽しんでいることが多い。勉強でもスポーツでも遊びでもいい、好きな対象を持ち、粘り強く取り組んでいる子供がいじめ続けられる可能性は低いだろう。

エンパシーもグリットも生得的な能力ではない。パパママが育んであげられるものだということが重要だ。

それでも子供がいじめられたら?

もしわが子にいじめに遭っていると告白されたら、どうすればよいだろう?

スクールカウンセラーは生徒に対してまず、いじめられていると打ち明けた勇気を褒めると言う。これは親も見習うべきだろう。

子供にとってその告白がどれほど勇気の要ることだったか。恥ずかしいし、情けないし、もしかしたら「チクった」と、さらに酷いいじめに遭うかもしれないのだ。

勇気を出して打ち明けてくれたことを、まずは思いきり褒めてあげよう。



いじめを防止する法律もある

いじめ防止対策推進法という法律があるのをご存じだろうか? ここには親の責務についても次のように述べられている。

(保護者の責務等)第九条

①保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。
②保護者は、その保護する児童等がいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。
③保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。

国や自治体、学校の責務も述べられているのだが、パパママにもいじめをなくすことを法律が求めている。もちろん法律に書いてあるから、というわけではないが、エンパシーやグリットというワードもヒントに、わが子をいじめっ子にもいじめられっ子にもしない育て方を考えてみてほしい。

いじめた経験、いじめられた経験を持つ子供と、そうでない子供とどちらが幸せかは明らかだ。


Text:Alexis De Leaver

イギリスの育児雑誌「FQUK」より転載

父親の育児雑誌『FQ JAPAN』の兄弟誌。セレブパパの子育てインタビューや、最新の育児アイテム、お出かけ情報などを配信している。



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