新しい令和式勉強法「楽勉」で頭のいい子に育てよう! 今日から始めたい子供への“知識の種まき”
2019/08/03
世界中の食材が集まるスーパーマーケットは、実は、子供が世の中を知るのにもってこいの場所。普段のお買い物を通じて、どんなことが学べるのか、具体的な親子の関わり方と会話を紹介する。
スーパーでの実体験が
“知識の種まき”になる
我が子に頭のいい子に育ってほしいというのは、親であれば当然の願い。そのために、子供にどのような環境をととのえてあげるべきか、どんな教育を与えるべきか、そんな手段ばかりに気を取られてしまうが、実は本当に大切なことはもっと手前にある。
「子供の学力を伸ばすために、特別なことをする必要はありません。スーパーでの親子の会話で十分なのです」と話すのは、親子でラクに、楽しんで勉強できる具体的な方法=「楽勉」を提唱する、教育評論家の親野智可等氏。スーパーの会話で子供が伸びるとは、一体どういうロジックなのか。
「私がこれまで多くの子供たちを教えてきた中で感じるのは〝実体験〞の与えるインパクトの偉大さです。学校では決められたカリキュラムと教科書に従って、いろいろな勉強をします。先生があらゆる知識を子供たちに教えていきます。教科書に『農業』の勉強があれば、田植えをしたことも見たこともない子供も授業で農業について学びます。このとき、まったく農業の経験がない子に比べて、少しでも経験がある子は大いに前向きに勉強に取り組めます。また、そういう経験がない子でも、近所のスーパーにおける親子の会話で農業に興味を持たせることができるので。」
語彙力を鍛える国語の体験
数を唱える経験で算数好きに
実際、スーパーでの親子の会話と、国語・算数・理科・社会がどのように結びつくのだろうか。
「まず、すべての学習の基盤になるのが国語です。スーパーには、世界中から集まってきた食材の名前や、キャッチのきいた商品名、ポップやチラシの売り文句など、生きた日本語で溢れています。ここで、知らない言葉は人に聞く・調べるという習慣をつけると、のちのちに出会う語彙や漢字との付き合い方につながってきます。次に算数ですが、算数が苦手だという子の多くは、数字の扱いに慣れていない経験不足からです。①数を数えること、②数を唱えること、③数を書いたり並べたりすること。この3つの経験が多いほど、算数の基本が身についていきます。スーパーは、算数への入り口である”数”で溢れています。特に、リットル、デシリットル、ミリリットルの概念などは、飲料コーナーに行って実際の量を見るとわかりやすいですね」。
青果コーナーで理科を学び
食べ物の産地で社会を学ぶ
そして、より人々の生活に密接に関わってくる理科・社会についてはどんなことが学べるだろう。「野菜コーナーは理科の宝庫。野菜の育ち方や、同じ仲間、旬の季節などについて話したり、クイズを出したりすると、理科への興味が拡がります。そして社会は、子供を地理好きにさせるチャンス。世界中から集められた食材や商品に書かれた産地を地図アプリなどで調べて、行ったことのない地域に目を向けてみましょう」。
子供の力を伸ばす
5つの親力
<親力=楽勉をプロデュースする>
生活の中で、遊びや楽しい会話を通して、知的な刺激をすることーーそれが楽勉。大切なのは焦らずせかさず、子供のペースを尊重して進めること。日常生活での具体的な体験・経験・事柄は、すべて「学力」につながる。
<子供の描写力・表現力を養う質問をする>
あいづち・言い換え・質問が基本テクニック。あいづちで自己肯定感を高め、言い換えによって、言葉が未熟な子供の気持ちを明確化し、問題解決へ結びつける。学習の基本「知る→考える→まとめる→人に伝える」を通じ、表現力を高める。
<勉強は机でやらなくていい>
「机に向かう習慣をつけるにはどうすればいい?」の答えがコレ。子供部屋で独りで勉強させるのではなく、親子で楽しくコミュニケーションしながらゲーム感覚で「頭にいいこと」をやる。スーパーへ行けばそこが勉強部屋に早変わり。
<レディネスを幼児期にやる>
心理学用語のレディネスとは、学習の成立のために必要な「前提となる知識・経験」「心身の準備性」。これらがないと、新しい学習は習得しにくいともいわれる。スーパーでの体験は、学習のレディネスとなり、学力アップの土台になる。
<当たり前のことができる子にする>
「長年教師をしていると、この子は伸びると感じる子がいます」(親野氏)。例えば、食後に歯磨きをする子、宿題をきちんとやってくる子、家で毎日何か自分の仕事をしている子など。当たり前のことができる子は学力も伸びていく。
プロフィール
監修者
杉山 桂一
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て・教育の講演会でも大人気。
ブログ「親力講座」:oyaryoku.blog.jp
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親力チャンネル(YouTube):https://bit.ly/2FYqflx
Text >> MIKAKO WAKIYA
Illustration >> AKIKO AKIBA