子供に対して厳しすぎてウンザリ! 全国のパパが知っておくべき妻の不満とは?
2019/02/23
子供への教育方針の違いから、夫婦喧嘩が起こってしまうことがある。お互いに子を思っての衝突だけに、安易にどちらが正しいと判断できないのが難しいところだ。前回に続き、アドラー心理学のプロであり、MBAを取得した経営者でもある熊野英一氏に、解決方法を提案してもらった(前編)。
一昔前の日本では、子育ては妻任せという夫が大多数だった。時代は変わり、現代では子育ては夫婦の共同作業という意識が浸透してきている。一方で、子供の教育に関する意見の食い違いから、夫婦が衝突するケースも増えている。
<今回のお悩み>
「子育てのスタンスの違いで衝突してしまう」
習い事に取り組む姿勢やしつけなど、夫は厳しめで私はゆるめ。それが原因で、たまにぶつかってしまうことがある。
例えば父子で空手を習っているのだが、子供は練習しない割にそこそこ上手。そこが父親から見ると、「もっと練習すればもっと上を狙えるのに」と、もったいなく、歯がゆく感じるらしい。
一方で、無理強いはしない方がいいとも思っているので、そのモヤモヤからか、稽古場でもついきつく当たってしまう場面がある。それを見た私がカチンときて、夫にクレームをつけてしまい、ケンカになってしまう。妻/30代(夫/30代、子供1人)
<解決策>
3人3様の“わかってほしい”が
せめぎ合っているのでは?
熊野氏:そもそも、夫婦や親子の考え方が全く同じなんてことはまずありえない。それなのに自分の主観を押しつけたら、夫婦や親子関係は難しくなりますね。
編集部:わかってはいるつもりなんですが、どうしても配偶者や子供には、自分の願望を強くぶつけがちですよね。例えば、このお悩みでも……。登場人物はパパとママとお子さんです。
熊野氏:3者それぞれ、習い事に関してわかってもらいたいポイントが異なります。まずパパは「習い事だからしっかり練習して強くなってほしい」、お子さんは「僕はそこそこできればいいし、そんなに必死に練習したくない」、ママは「そんなにがんばらせなくてもいいじゃない」。つまり、3人の“わかってよ”の気持ちのせめぎ合いという構図。
この問題は、日本のアドラー心理学では、「課題の分離」という考え方でとらえることが多いです。このケースの場合、空手の練習に行く・サボる、一生懸命にやる・やらない、空手を続ける・続けないなど、これら全部が「子供の課題」なんですよ。
だから子供が決めることなのに、親はつい、干渉したくなっちゃう。でもそこをグッとガマンして、「自分の習い事をどうするかは君が決めていいんだ」という姿勢で向き合う。子供も自分で決めたことだから、結果に対して責任も芽生えるだろうし。
ここで大切なのは「迷った時にはパパやママに相談して。いっぱいアドバイスするよ」と伝えること。そしてアドバイスを求められたら、「パパは絶対練習した方がいいと思うよ」って、人生の先輩として話してあげる。上から目線の命令口調でなければ、子供はきっとしっかりと受け止めると思う。
「課題の分離」は放置や放任とは違います。ちゃんと親として見守りつつ、おせっかいを焼き過ぎないように気を付ける、ということです。