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うちって貧乏なの…?「子供の貧困問題」を断ち切る3つの視点は?

貧困の連鎖を止めるには
やはり教育しかない

近年、全国的に子供食堂が増えたり、授業についていけない子供をフォローするための無料の塾が開催されたり、子供の貧困問題に向き合う、善意の活動が広がっています。

そこには企業や地域から支援されているものがあれば、主催する人たちの善意だけで成り立っているものもあります。頭が下がる話です。子供たちが貧困から抜け出すためには、学力や生きる力を身につけることが重要だと思います。

日本語を上手に話せない外国人労働者の方の子供の問題も、これから増えてくるかもしれません。これらの問題を自己責任で済ませるのは、あまりにも残酷だと思います。

高校や大学に進学する話は別として、貧困状態にある子供たちが、落ちこぼれないような「生きる力を養う場」をどのようにしてつくっていくのか、今こそみんなで真剣に考えるときではないでしょうか。

子供の貧困問題
見つめる3つの視点

①貧困状態の子供のSOSは見えにくい

相対的貧困状態だからといって、飢えるほど困っているとは限りません。身なりも普通の家庭と変わらなかったりします。表面上から見えにくいだけで、もしかすると、あなたのすぐ近くに貧困にあえぐ子供がいるかもしれません。

②子供に対する無関心も過干渉も問題

相対的貧困状態の家庭では子供と向き合う余裕がなく、ネグレクトに近い状態になっていることもあります。その一方で、子供に対して過干渉で、自分で自由にものごとを決める子供の人権を侵害してしまうような親も。お金の問題だけではなく、子供との関わり方にも格差があります。

③教育の力で貧困の連鎖を断ち切ろう

子供たちが貧困から抜け出すためには、生きる力を養うための学習の場がとても大切です。今も、善意の団体が無料の塾などを開催し、子供が落ちこぼれないように支援していますが、まだまだ不十分です。人々の善意に頼るだけではなく、地域や企業と連携し、継続的な活動を育てていく必要があると思います。

PROFILE

香山リカ RIKA KAYAMA


東京医科大卒。精神科医。豊富な臨床経験を活かして、現代人の心の問題を中心に、新聞や雑誌など様々なメディアで発言を続けている。著書に『ノンママという生き方 子のない女はダメですか?』(幻冬舎)、『50オトコはなぜ劣化したのか』(小学館)など。

「香山リカ先生に聞く!」記事一覧

 

TEXT » TAKESHI TOYAMA

FQ JAPAN VOL.47(2018年夏号)より転載

 

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