もう自己嫌悪に陥らない! 正しい子供の叱り方って?
2018/04/24
「愛のムチ」は「ただの無知」。学校での体罰について巷では話題騒然となっている。自他共に認める武闘派作家であり海の男でもある鈴木光司は体罰に関する一連の報道をどう見ているのか?
学校や部活ではもちろん
家の中でも体罰はいらない!
体罰は日本の軍隊の中から生まれた悪しき伝統。言ってみれば、日本人が戦争時代に身に付けてしまった悪いクセだ。
断言しよう。体罰によって人は育たない。身体的な罰だけじゃない。言葉や態度による罰だってまったく無意味なもの。恐怖によって萎縮させてしまうだけ。子供は何が悪いのかを理解するどころか、自分の頭で考えなくなる。「愛のムチ」は「ただの無知」だ。
「『ダメだからダメ』なんていう親はダメ」だと僕は思う。
もっと言葉を尽くすべきだ。子供を育てる上で必要なのは、罰ではなく叱ること。叱るといっても叩いたり、怒鳴ったりすることじゃない。徹底的に言葉で伝えるべき。言葉で伝えるためにはまず伝える側が「何が悪かったのか」を意識化しなければならない。伝える側が意識化できていないものを子供が意識化できるわけがない。
まず親が「何をどうして悪いのか」を意識化して、言葉にすることによって、はじめて子供にもそれが伝わる。それがしつけというものだ。そうやって大人が自分自身を成長させていかないと、体罰という悪しき伝統をなくすことはできない。徐々になくしていくしかない。クセというものはなかなかに抜けないものだから。