専門医に聞く「はじめての沐浴&スキンケア入門」
2017/10/26
パパが担当する育児の上位にランクインするバスタイム。しかし、慣れない沐浴にハラハラドキドキのパパも多いだろう。沐浴に関するさまざまな疑問を解決して、赤ちゃんとの貴重なコミュニケーションの時間を楽しもう!
スキンシップとおしゃべりで
楽しいバスタイムを
「生まれたばかりの赤ちゃんは新陳代謝も皮脂分泌も活発です。沐浴は、皮膚を清潔に保ち、湿疹やあせもなどの肌トラブルを防ぐのが第1の目的です」と千春先生。
赤ちゃんをリラックスさせるコツは?
「あおむけの状態で足からゆっくりと入れます。裸になると不安を感じる赤ちゃんもいるので、大きめのガーゼをお腹にかけると安心します。赤ちゃんに『入るよ〜』『気持ちいいね〜』など話しかけてあげるのもいいですね」(千春先生)。
大人の肌の表面は弱酸性に保たれて雑菌の繁殖を防いでいるが、乳児の肌は中性に近く、細菌が繁殖しやすいため肌トラブルを起こしやすい。しかも新陳代謝が活発なので、汗や皮脂の混じった垢が肌表面に溜まりやすい。だから入浴でよく汚れを落としてあげることが肝心だ。
Q 何を準備したらいい?
A 沐浴後に慌てずに服を着せられるよう、着替えとオムツはあらかじめ広げて準備を。保湿剤や、お風呂上がりに飲ませる白湯などの用意も忘れずに。
Q 石けんの上手な使い方は?
A よく泡立てた石鹸で優しく洗ったら、すすぎ残しがないようにしっかり流そう。泡で出るポンプ式のベビーソープなら、新米パパでも扱いがラク。洗い流し不要の沐浴剤もオススメだ。
Q 正しい洗い方ってあるの?
A まずはガーゼで顔を優しく拭いてあげる。その後は頭→身
体→ 手足→ 背中→ お尻→ 股の順に上から下へ洗おう。ゴシゴシ洗いは厳禁。顔は「3」を描くように、目はなぞるように優しく。シワやクビレの洗い残しがないように。
Q 適切な湯温は何度?
A 夏は38度くらい冬は40度くらいの温度で、1日1回、5分程度入れるのが目安。汗をたくさんかいた日は1日2回でもOK。ただし洗い過ぎには注意しよう。湯温は変化しやすいので、湯温計があると便利。
Q 湯船に一緒に入れるのはいつから?
A 1ヶ月健診が終わったら大人といっしょのお風呂に入ってもOK! ただし、パパママが体を洗っている間、赤ちゃんを寝かせておくバスチェアを用意するなど安全面への配慮を。
千春皮フ科クリニック代表
渡邊千春先生
東京医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科などを経て、埼玉県さいたま市浦和に千春皮フ科クリニックを開業。皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・形成外科のクリニック。乳幼児のスキンケア・皮膚に関しての講演も行っている。医学博士・皮膚科専門医。
Illustration» PANTODAIKICHI,Text » MIKAKO HIROSE
FQ JAPAN VOL.44(2017年秋号)より転載