夏のベビーの肌を守る! 日焼け・あせもスキンケア
2017/07/31
スベスベ肌の赤ちゃんにスキンケアなんて必要ないと思ってる新米パパ! 実は赤ちゃんの肌こそ、デリケートでケアが欠かせないのだ。今回は、夏の2大肌トラブル「日焼け」と「あせも」について、皮膚科専門医の千春先生にお話を伺った。
ベビーの時に浴びる紫外線量で
一生の肌の美しさが決まる
「ケアといっても肌には”自浄作用”があります。過剰なケアも肌のバリア機能を弱めることになってしまうので注意が必要です」。そう話す千春先生は、各地で肌に関する講演会も行う肌のエキスパートだ。
「夏はとにかく、紫外線対策に尽きます。人は、一生で吸収する紫外線量を、20歳くらいまでに約半分浴びるといわれています。成人前は細胞分裂が盛んな時期ですから、紫外線を浴びると皮膚の細胞のDNAに大きなダメージを与え、将来、シミが出来やすくなったり、シワの原因になったり、極端な日焼けは皮膚癌のリスクも上がります。子供の時にどれだけ紫外線を浴びたかによって一生の肌の美しさが決まるんですよ」。
お出かけ時には、赤ちゃんでも日焼け止めで肌を守るのが鉄則。
「日焼け止めは生後1ヶ月からOK。ただし、石けんで落としにくいウォータープルーフは避け、刺激の少ないベビー用を選びましょう。2、3時間おきに塗り直し、落とすときはお風呂で石けんを使い優しく洗ってあげましょう」(千春先生)。
そして夏は、あせもにも注意が必要。
「赤ちゃんは新陳代謝が活発で体温が高いうえ、大人と同じ数だけある汗腺の密度が高いため、大人の3倍も汗っかきです。特にシワやクビレには汗が溜まりやすく、汗腺がふやけたり、ふさがれて水ぶくれになることがあり、それが炎症を起こしてかゆみを伴うあせもができることがあります。まめに汗を拭き、衣服もマメに取り替えて清潔に保ちましょう」(千春先生)。
夏のスキンケアPOINT!
1. 日焼け止めは、生後1ヶ月から使用OK
2. 刺激の少ないベビー用の日焼け止めを、2~3時間おきに塗り直す
3. まめに汗を拭いたり、衣服を替える
今さら聞けないスキンケア
日焼け止めにあるPAとSPFって?
地上に達する紫外線にはA波とB波の2つがある。真皮まで到達してコラーゲンを破壊し、シワ、たるみを促進する紫外線A波をカットするのが「PA」。肌の表皮部分までしか到達しないが、炎症を起こし皮膚細胞の遺伝子DNAを傷つけるB波をカットするのが「SPF」。PAもSPFも数値が高いほど効果は高いが、肌への負担も大きくなる。赤ちゃんの肌に使用する場合は、PA なら1~2まで、SPFなら10~20までのものを選ぼう。
監修
千春皮フ科クリニック代表
渡邊千春 先生 CHIHARU WATANABE
東京医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科などを経て、埼玉県さいたま市浦和に千春皮フ科クリニックを開業。皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・形成外科のクリニック。乳幼児のスキンケア・皮膚に関しての講演も行っている。医学博士・皮膚科専門医。
Illustration » PANTODAIKICHI
Text » MIKAKO HIROSE
FQ JAPAN DIGEST VOL.41(2017年夏号)より転載