「イクメンブルー」を解決する3つの実践法
2017/07/13
家庭でできる脱イクメンブルー実践法
1. 望遠鏡で見て「家庭内の事業計画書」を作ろう
ビジネスを立ち上げる感覚でわが家の事業計画書を作りましょう。子育ての本当のゴールは20年後。子供が成長し自立するために今何をすべきか考える。“顕微鏡”より“望遠鏡”で子育てを見ることが大事です。わが家のミッションステートメント(経営理念・事業理念)を確認。そして、こういう人間になって欲しいから、どんな教育が必要でそのために、いくら予算が必要かなどを夫婦で話し合おう。
2. 「家庭育児は中長期投資ファンド」と考える
産後、子供がまだ小さい頃にパパが体力や時間を投資するほど、後からリターンが期待できます。そうすると産後のいろんな問題も軽くて済み、その後の思春期の育児もスムーズに。そして、一緒に子育てを乗り越えた思い出を持って夫婦で老後を過ごしていけるので、熟年離婚の予防にも効果的。こうした考え方は、中長期投資ファンドへの投資と似ています。
3. 残業でなかなか帰れないパパたちは「間接育児」を
育児には、直接育児と間接育児がある。仕事が忙しくて子供に触れあえない。その代わり、ママを精神的にケアしてあげることが間接的な育児になるのです。ママの話を聞いて共感を持って受け止めてあげるだけで「今日私がやったことを理解してくれる」、「大変だったことを労ってくれた」と少しでも感じてもらえれば、翌日にはまた笑顔で子供に向き合える。そこにパパはいなくても、笑っているママが子供の前にいるというのが重要。1人で自由になる時間を作ってあげることも、ママの助けになると思います。
職場でできる脱イクメンブルー実践法
先駆者としての「プライド」を持とう
まだ職場ではイクメンは肩身が狭いかもしれませんが、働き方改革でこれからは男性の育休も増えていくと思います。育休を取る時には、自分はすごく先進的なことをしていて後輩のために道を切り開いているというプライドを持ってやればいいでしょう。また、育児スキルを高めて妻のリザーブになれれば、妻のキャリアが伸びるとポジティブに考えましょう。
地域でできる脱イクメンブルー実践法
「第3の居場所」を手に入れよう
職場と家庭の両立で悩んでる人こそ、第3の居場所を持った方がいいと思います。そこに行くと自分と同じ課題を持っている人がいっぱいいる。新しい出会いがあったり、教えられたり慰められたりします。ただし、ママは趣味を諦めているので、パパも自分の趣味だけではダメ。まずは地域の活動にパパが積極的に参加してみましょう。
PROFILE
安藤哲也 TETSUYA ANDO
1962年生まれ。2男1女の父親。2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ代表を務める。NPO法人タイガーマスク基金代表。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員などその活動は多岐に渡る。新著は『「仕事も家庭も」世代の新・人生戦略「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社)
FQ JAPAN VOL.43(2017年夏号)より転載