ワークライフバランスが子供に最適な発育環境を作る
2016/03/28
無理なく頼れる病児保育の存在が、子育て中のワークライフバランスに繋がっていく。病児保育サービスを行う認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さん。病児保育の存在が働き方に与える影響や仕事と子育てとの両立について伺った。
家事育児と仕事との両立を
病児保育がアシスト
NPO法人フローレンス代表理事の駒崎さんは、子供が熱を出すことは大切な発育のひとつであるはずなのに、ネガティブに捉えられてしまっている現代社会に疑問を持つ。では、病児保育の存在は働き方にどのような影響を与えているのだろうか。
「特に母親が働きやすくなります。病児保育がないと仕事を休みがちになり、自信を失って仕事をやめてしまうことも。子育てしていても安心して働き続ける“両立の可能性”を広げることが役割だと思っています。」
父親として状況に応じた
バランスを取ることが大切
「共働きの場合、両方で家事育児をしないと手が回りません。どちらも休めない時にフローレンスがあると喧嘩することなく頼めますので、私自身も仕事との両立に非常に助けられているなと実感しています。私も含め、今の父親の多くは家事育児を自分の問題と考えていますので母親だけでなく、最近では父親も両立の課題を抱えています。」
駒崎さんは、仕事のために家事育児が犠牲になるのは正当化され得ないと日本にワークライフバランスという概念を普及した人物でもある。バランスの取り方は人生のページによって変わっていく。最適な育児環境をつくるために、無理なく頼れる病児保育がバランス調整役として心強い存在になってくれるはずだ。
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、NPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始し、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートしている。1男1女の父であり、子供の誕生時にはそれぞれ2ヶ月の育児休暇を取得している。
Text » AKIKO OKAWA
FQ JAPAN VOL.34(2015春号)より転載