ついに妻が妊娠! 父親になる恐怖は”誰にでも”ある
2018/08/04
第一のハードル
最初の一撃
僕のケースが特に稀な例という訳ではないだろう。子供を作ろうと相談していても、いざ妊娠という事実を突きつけられると混乱してしまうカップルはほかにも大勢いると思う。
インタビューした父親のうち何人かは、たとえ妊娠は計画的だったとしても、こんなに急にいろんなことが進展するものだとは予想すらしていなかったと語っている。
「子供を作ろうと計画し、実現するのはそれから半年か1年後だろうから、心の準備をする時間はたっぷりあるだろう。彼女がいきなり妊娠するわけないからね」というように。
しかしながら、実際に数週間後もしくは数ヶ月しないうちに「望み」が現実となるものだから、ビックリ仰天となるわけだ。
私が取材した父親の一人であるマークは、買ったばかりの高級車でバックさせているときに、彼女から重大報告を受けた。危うく心臓発作を起こしかけて、車ごと激突するのをかろうじて逃れた後、正気に戻った彼がとった行動は、ふらつく足で近くのパブに行って強い酒をあおることだったという。
彼女とはその後、タイミングの悪さについて何度も衝突することとなった。新車を買ったばかりと言うのが彼の言い分だったが、これは明らかに妊娠に対する恐れやストレスといった彼の本当の感情を隠すための口実であったのだろう。
しかしマークは、同時に「イングランドのために世紀のシュートを入れた」ような気持ちでもあったと述べている。
この2つの相反する矛盾した感情が起こるのは、最初の妊娠ではごく自然のことで、その感情は99.9%、生まれてきた赤ちゃんを一目見たとき、もしくはそれより早く、完全にどこかへ消えていくはずである。
自分と向き合う時間
僕の場合について言えば、あまり責任感のある立派な大人ではないという自信のなさと、自己中心的な考えからくる懸念でいっぱいだった。
子供ができたら、お金の使い方とか、週末の過ごし方とか、夜遊びとか、バケーションとか、朝ベッドでうだうだすることなんかに、どれくらい影響してくるのだろうなんて考えたりした。
妊娠を知らされたとき、パニックにならない人はいない。あなただけでなく、他の誰かも同じように、世界がガタガタと音を立てて崩れていくように感じているのだ。
悲しいことに、あなたがそんな気持ちを打ち明けることになる相手はあなたのパートナーで、当然、あなたの心配事や心の変化を聞きたいはずはない。これが乗り越えなければならない難問のひとつになるだろう。