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イクメン大国フィンランド 秘密は「男女平等」にあった

世界有数のイクメン大国フィンランド。駐日フィンランド大使館にその秘密を聞いた。

フィンランドには、FQ が最も注目している特徴がある。それは「世界有数のイクメン大国」ということ。というより、むしろイクメンという言葉がフィンランドには存在しないくらい、男性が当たり前のように育児を行っているのだ。日本同様仕事でも多忙な毎日を過ごすフィンランドの男性が、しっかり育児に参加出来る秘密とは?

「フィンランドでは日本はもちろん、世界の先進国と同様、仕事に従事することは大切だと考えています。しかし、仕事と同様に余暇の時間を大切にしているのです。普通、朝9時くらいから仕事が始まり、8時間後の夕方5時頃にはしっかりと仕事を
終了させます。独身の時にはスポーツや趣味を楽しみ、結婚したら、家族と過ごす時間を大切にします」。
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しかし、フィンランドの男性がここまでの考え方に至るには、長い歴史があったとか。フィンランドには男らしさや女らしさと言う概念があまりなく、男女の役割的な境目も曖昧化が進んでいる。

フィンランドは世界で3番目の早さで女性に参政権を与え、さらには世界で最初に女性に被選挙権を認めた国。もともとは人口が少なく貧しい国だったが、第二次世界大戦での敗戦から復興し、経済的自立を成し遂げたのは、女性が男性と共に労働社会の一部となって国力を支えたことが大きい。女性の社会進出をサポートするために、制度も整えられて来たと言う。

「フィンランドには女性が安心して出産をして、その後も社会復帰を促すために、子育てをバックアップしてくれる、大きな3つの制度が存在します。1つ目は赤ちゃんを産む女性のための〝母親休暇と母親手当〞、2つ目は父親母親のいずれか、もしくは両方で分割取得が可能な〝両親休暇と両親手当〞。そして3つ目は父親のための〝父親休暇と父親手当〞。いずれも国が法律で、子育てのための休暇と、その休暇中の収入を保証してくれます。さらに1985 年に作られた労働契約法によって、子供が3歳になるまで前職を失うことはありませんので、安心して職場を離れて子育てに専念出来るのです」。

フィンランドは男女平等を世界でもいち早く取り入れたことで、女性の社会進出が進んだ。今や高等教育を受けている割合は女性の方が高い。 男女平等社会で進んだ制度を最大限に利用して女性は社会で活躍し、男性も女性と同様に仕事だけじゃなく育児にも参加する。フィンランドがイクメン大国と言われる所以は、まさにココにあるのだ。

ミッコ・コイヴマー
フィンランド大使館 参事官 (報道・文化)
1977年フィンランド生まれ。2010年より東京在住。
www.finland.or.jp
https://twitter.com/FinEmbTokyo>

Text >> ARATA HOMMA
※FQ JAPAN vol.27(2013年夏号)より転載
(2014.9.25up)

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2014/06/26 | 編集部からのお知らせ

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