尾木ママ 教えて!「なぜ子供に自然が必要なの?」
2014/08/25
「脱ゆとり」でより一層、教育後進国に
昨今の日本では脱ゆとりが叫ばれ、つめこみ式の教育が復活した。マスコミは子供の学力が戻ったと喜ぶが、尾木ママはそのことに対して強い危機感を抱いている。
「日本の教育研究者は、世界ではとても肩身が狭いの。国連教育科学文化機関(ユネスコ)からも日本の学力の捉え方はおかしいですよって是正勧告を受けています。今世界の教育に求められているのは、ペーパーテストで点を取ることではなく、学びを生活の中でいかに活用するか、という力を身につけることなんです」。
さらに2018年からは、「未来型学力」を育てる取り組みがスタートするという。
「教育の基本が『グローバルコンピテンシー』という概念に変わります。これはどういうものかというと、多様な価値観や宗教を持つ人たちが共同しながら、新しい価値を生み出すための教育、とでも言えばいいかしら。平和で持続可能な社会をつくる『世界市民』を育成しよう、というのが目的なんです」。
未来型学力とは、具体的にどのような能力や知識のことを指すのか。
「思考力や想像力、それから提案力や運営管理力など、知識や能力を使う力……一言で言えばやはり地頭ですよね。地頭を鍛えるために大事なのは原体験です。もうわかるわよね?未来型学力は自然の中で養えるものなのよ。例えばキャンプする時は、計画や段取りが重要ですよね。設営をしたり、火をおこして料理をしたり、いろんな体験ができます。ほかにも、森の中にはいろいろな動植物がいて、危険なことも、楽しいこともありますよね。こういうことがすごく大事。自然の中で原体験を積むことは、これからの時代に求められる力をつける意味でも、とっても理に適っていることなのよ」。