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インタビュー

【バラク・オバマ】父親としてのアメリカ大統領

ハリウッドスターでも大物スポーツ選手でもマイホームに戻れば、誰でも「父の顔」に戻る。それはアメリカ合衆国大統領でも同じこと。父親に職業の違いなど関係ないのだ。世界一有名なパパとなった第44代大統領バラク・オバマ。彼の父としての顔に迫る。

父親としてのバラク・オバマ

President Dad Barack Hussein Obama,Jr.

ハリウッドスターでも大物スポーツ選手でもマイホームに戻れば、誰でも「父の顔」に戻る。それはアメリカ合衆国大統領でも同じこと。父親に職業の違いなど関係ないのだ。
世界一有名なパパとなった第44代大統領バラク・オバマ。彼の父としての顔に迫る。

2009年1月20 日、ついにアメリカ初の黒人大統領が誕生した。世界で最も影響力を持つ人物になったバラク・オバマだが、父親としてのバラクは今までどおりのスタイルを貫くだろう。家族に対する気持ちに”CHANGE”はない。

ホワイトハウスの住人となったオバマ一家の変化とは

ホワイトハウスへ移り住むための荷造りを手伝ったのは、10歳のマリアと7歳のサラ。2人は1977年に9歳でホワイトハウス入りしたジミー・カーターの娘・エイミー以来の若い住人となった。2人はスピーチの話題としてたびたび登場し、あるときは集会に姿を見せることもあった。そしてまたあるときは、アメリカの人気エンターテインメント番組「AccessHollywood」にも出演した。

バラクの話によると、2人の娘たちは政治にはまったく興味がないという。ただし2人は、選挙中バラクがどうしたらクールでいられるかというアドバイスを送り、それがバラクの勝利に大きく貢献した。「マリアのアドバイスは大いに役に立ったよ。さすがに彼女の友達の前で恥をかかせるわけにはいかないからね」。

娘たちにはできる限り普通の人生を送ってほしいと願っているバラクにとって、彼女たちのいたってノーマルなアドバイスは、彼を安心させたに違いない。「娘たちは今回の出来事に困惑したりしていない。そういった話を持ち出さないし、友達にもしゃべったりしない。どちらかといえば、出馬前より人に対して礼儀正しくなって、慎重になったよ。私にはそれがとても嬉しいんだ」。

obama4バラクと妻のミシェルは、今までどおりの娘たちでいて欲しいと願っている。たとえ父親が歴史に残ることをしていてもだ。「私とミシェルの役割は、彼女たちが悲しんでいないか、無視されているように感じていないか、そしてそれと同じくらい自分たちを特別に感じていないかを注意して見守ることなんだ」。

しかし、ホワイトハウス入りという激変は、娘たちの生活に大きな影響を与えてしまうことは間違いないだろう。「彼女たちが今回の引っ越しを楽しみにしていなかったのはわかっている。2人はシカゴで素晴らしい生活を送っていて、たくさんの友達もいる。また始めから友達を作り直さないといけないのは、子供たちにとって辛いことだと思うよ」。

“痛みの緩和”を選挙公約に掲げて戦ったバラク。でも娘たちに対しては”犬を飼う”ことが公約だった。その公約は選挙に勝っても負けても守らなければならなかった。「2人とも本当に愛している。ホワイトハウスへ行くときは子犬も一緒だよ!」。11月の勝利宣言の中で、バラクは娘たちにそう告げた。

それからしばらくオバマ家の”緊急課題”として、どの犬種にするかという議論が交わされた。そして何故か、このファースト・ドッグ選びはアメリカ全土の注目するところとなり、たくさんのオンライン投票やこれを議題にしたフォーラムが開催されたという。

また『ハンナ・モンタナ』(アメリカの国民的人気ドラマ)への特別出演のオファーが来たこともあった。もちろんバラクは、彼女たちが変な注目を浴びてしまうことを避けるために断ったという。「TVカメラにどう映るかなんてことや政治のことなんかに、関心がないところが彼女たちの魅力なんだ。私たちは彼女たちにはそのままでいてほしいと願っている」。

アメリカにおける“父親不在”はこの国の流行り病だよ

obama32マリアは妹のサラと母のミシェルとホワイトハウスを訪れたとき、伝説のリンカーンのベッドルームを発見した。「私はあの大きな机に座るわ!大きな考えが浮かぶかもしれないでしょ!」。さすがのバラクも、娘の口から出た、この思いもしなかった発言には驚いたという。

マリアにエイブラハム・リンカーンが奴隷解放宣言にサインをした机で宿題をさせるかどうかには悩んだが、バラクもミシェルも2人の娘に家事を手伝わせることについてはあらかじめ決めていた。それはフルタイムのスタッフがいるホワイトハウスでも同じこと。妻ミッシェルはこう語る。
「私はスタッフの方に『身の回りの整理整頓に関しては、境界線を引かなければいけない』と伝えました。ベッドを整えたり掃除をしたりするくらい自分でできないとね」。

新しくオバマ家に仲間入りした子犬のフンの後始末をするのも、もちろん娘たちの仕事だ。「そのことについてはもう話してる。ホワイトハウスの芝生を汚してほしくないとね。彼女たちには自分の仕事はきちんとしてもらわないと」。ただし、この少女たちはお手伝いには慣れている。なぜならオバマ家では、以前から家事を手伝うことの対価としてお小遣いを与えていたからだ。

「マリアが自分に与えられた仕事をすれば、1週間に1ドル渡していたよ。私はいつも出張しているから、よく『10週分たまってる!』なんて言われるんだ。つまり彼女がお小遣いをもらえていなくても、自分の仕事は続けているということ。彼女が約束を実行しているのに対して、私は約束を守れていない。それに罪悪感を覚えたよ」。

「彼の義務は、いてほしいときにいてくれること」………ミシェル・オバマ

この2年間「98%の時間」を外ですごさなければならなかったバラクだが、父としての義務は、残りの2%のなかでほとんど果たせているとミシェルは言う。「彼の義務は、いてほしいときにいてくれること。保護者面談、ピアノの発表会、娘たちにとって大事なイベントに出席してくれることが大切なの。彼女たちの大事なイベントに彼が来なかったことなんてほとんどないのよ」。

obama5バラクは選挙運動中、よく育児について話し、「アメリカにおける”父親不在”はこの国の流行り病」だと非難した。特にアフリカン・アメリカンの父親たちの間では、50%以上の黒人の子供たちはシングル・ペアレントの家庭で育っている。「相当の数の父親が家庭においてM・I・A(戦闘中行方不明)で、またはAWOL(無許可で離隊)状態だ。彼らは生活を失い、家庭をも失っている」。

昨年の父の日に彼はこうスピーチしている。「彼らは男ではなく少年のようにふるまい、責任を放棄している。そのため、我々の家族の基盤は弱くなっている。父親たちに気づいてもらいたい。責任は女性が妊娠したときに終わるわけではない、と。それだけでは父親にはなれない。子供をつくる能力があなたを男にするわけじゃない。どんな馬鹿でも子供はつくれる。だが、つくれば父親になれるというわけではない。子供を育てるという勇気をもつことがあなたを男にするのだ」。

同じ演説の中で、自分に父親がいないことが、どれだけハンディキャップになったかを語った。「家庭に父親がいないことで、自分のなかで犠牲になった部分があった。自分をガイドしてくれ、そしてリードしてくれる男性像が家にいないことで心に穴があくんだ。そして何年も前、そのサイクルを破るのは自分の責任なんだと気づくことで解決した。もし人生において、なんにでもなれるのなら、子供にとってよい父親になろうと思っている」。

「もし選挙中に彼女たちが『やめて』といえば、私は今の職務に就いていなかっただろう」………バラク・オバマ

また彼はこうも語る。「私は自分も完璧な父親ではないことを理解してこの話をしている。間違ったことがあることも知っているし、これからも間違うことはあるだろう。でも、今よりも、もっと娘たちと妻のために家にいることができればと願っているんだ」。

ホワイトハウスへの長い道のりは、彼の家庭生活に時として、大きな重圧がかかっただろうが、これからもバラクは政治的活動より家族を優先するつもりだ。選挙期間中におけるプライベートに関して、バラクはこうもコメントしている。「ミシェルはわかっていたはずだ。もしこの政治活動の最中に彼女たちが私のもとに来て、”やめて”といえば、いつでも私が活動をやめることを。そしてもし、このことが自分の家族を壊していると思うことがあったら、自らやめていただろう」。

妻と家族を世界的に重要な立場にしたバラク・オバマ。3億のアメリカ人、また何十億という世界中の人々が、完璧な父親であろうとする彼に完璧な大統領にもなって欲しいと願っている。■

【コラム】ホントに良き父親オバマパパエピソード集!

EPISODE.1

娘に絵本を読み聞かせ上院議員として活躍していた

ときのバラクもマイホームパパぶりを発揮。地元シカゴを離れずに仕事をこなしていた彼は、どんなに忙しくても、極力自宅で夕食をとり、夜になると娘たちに絵本を読み聞かせてベッドで寝かしつけるという日常をこなしていた。

EPISODE.2

選挙中も家事は分担

多忙な選挙期間中でも、オバマ夫妻はこれまでと変わらずに家事を半々に分担する生活を送っていた。掃除や洗濯といった家の中の雑用はもちろん、娘たちのお弁当づくり、学校行事の参加も精力的にこなしていたバラク。さすがワークライフバランスも完璧な良き父親だ!

EPISODE.3

妻との約束を順守

ミシェルは、夫の大統領選挙期間中、娘を寂しくさせないため『選挙運動は1週間に2日だけ。また一晩中家に帰らないのは週に1日だけで、2日目の夜には家に帰ってくること』という約束をバラクと交わしたそう。彼は政治家として父として両方の公約を実現させた。

EPISODE.4

家族メールは大事です

実はメール中毒というくらい携帯メールが好きなバラク。機密情報漏洩の危険性から、ホワイトハウスでのメール禁止令も検討されたが、妻&娘とのコミュニケーションを大事にする彼の強い要望により、親族&友人へのメールは許されたそう。良かったね、オバマパパ!

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