子供のケガ応急処置マニュアル
2014/07/17
日常生活で起こるケガ(頭や顔の場合)
ケガは傷の痛みもさることながら、子供にとってショックによる動揺も大きい。これをきっかけに親子関係を深め、精神的ケアも行ないながら、痕が残らない、あるいは重大な事態な発展しないよう経過を見守ることが重要だ。
顔をぶつけた
●打ち身・青あざ ●内出血や切り傷
●鼻血 ●失神・嘔吐
青あざは濡らしたタオルで冷却すれば痛みが治まる。切り傷や擦り傷は痕になる可能性があるので、よく洗って止血し、慎重に手当てする。傷が大きく開いていたら縫合の必要も。医療用接着剤もあり、縫わない治療も可。
嘔吐や失神があれば救急
顔は痕が残るのが何より心配。ひどい強打のときは、失神や嘔吐が見られることもあるので、呼吸の有無を確かめ、その場合は迷わず救急車を呼ぼう。
仰向けにはせず前かがみにさせる。鼻血は飲みこませず、口から吐かせること。脱脂綿は、小鼻の内側にある“キーゼルバッハ”と呼ばれる部位(指を入れて触れる中央の硬い部分)に詰める。
頭をぶつけた・打った
●こぶ ●凹む
●機嫌が悪い、元気がない ●意識がもうろうとする
こぶの場合はなるべく安静にし、タオルでくるんだ保冷剤で冷却。頭は小さな傷でも派手に出血するので、慌てず傷口を洗い消毒。傷の大きさと深さをよく確認し、止血して経過を見る。鋭い部分にぶつけて凹んでしまったり、いつもと様子が違うようであれば急いで救急病院へ。
状態をつねに観察する
外傷がなく、いつもどおり遊んでいても、頭のケガはあとから悪くなることも。跳んだり走り回ったりしないよう、常に目の届くところで静かに過ごさせ、状態の変化に注意する。気になるようであれば、病院での診察を。
動かさないのが基本
声をかけ、意識の有無を確認。呼吸がないなら救急車を呼び、人工呼吸と心臓マッサージを。意識があっても体が動かせないなら脊髄損傷の可能性も。慌てて動かしたり、柔らかい場所に寝かせ直すのは×。丸めたタオルで首の左右を固定。
誤飲・誤えん
●嘔吐
●窒息による呼吸困難
のどに詰まらせた場合、子供を下向きに抱え、あごを支えて背中をたたく。すぐに出てこない場合は、迷うことなく一刻も早く救急車を。受診の際は、何を飲んだが現物や容器があればベスト。
迷ったら専門機関へ
無理に吐かせないほうがいいものもあり、電池・漂白剤・たばこなどによって対処法が異なる(右図参照)。吐かせるべきか迷ったら日本中毒情報センター(www.j-poison-ic.or.jp)へ電話を。