子供のケガ応急処置マニュアル
2014/07/17
日常で起こるケガ
神経が未発達で防御反応がまだうまく働かない子供にとってケガは日常茶飯事。体のバランスも悪く、危険を予知する能力もまだまだ不十分だ。些細なケガは大きな病気を招くことになりかねない。しっかり対処法を学んでおこう!
擦りむいた
●バイ菌に感染して化膿
●傷跡が残ったり色素沈着
すぐに患部を流水で洗う。これは傷口をきれいにする意味だけでなく、冷却して痛みを和らげる作用もある。消毒液をつけてばんそうこう、というのが常識だったが、それでは傷跡が残りやすいことがわかった。傷跡からの滲出液は傷を治すためのもの。乾かさないようにラップでおおえば、自然治癒能力が最大限に発揮される。
傷跡が残りやすい
手指をよく洗ってから処置を。痕が残りやすいので、顔や広範囲の擦りむき、砂などが食い込んでいたら病院へ。
擦り傷は意外に痛みが強い
皮膚表面が削れ、毛細血管が傷つくため、じわじわとした出血に。大量出血はないが痛みは強いので心のケアも。
切った
●出血、感染、熱っぽい
●神経損傷なら感覚マヒ
感染防止が第一。流水で傷口を洗って清潔にし、傷口の程度を確認。次に手で押さえるか滅菌ガーゼを当てて止血し、ばんそうこうで傷口を圧迫するようにとめる。血が止まらない時は、止血しながら病院へ。ガラスでのケガや深傷による組織損傷、腱と関節の損傷は、成長発達にも影響するので必ず医師の診断を。
❶流水でキレイに(いきなり消毒したりしない)
❷傷口を圧迫するようにとめる
刺さった
●出血、炎症、化膿
●破傷風
針など細いものなら水で洗浄。古くぎなど汚れたものは、炎症を起こすので洗浄後に消毒する。出血していたら圧迫して止血。鉛筆や竹串など、慌てて抜くと先端や繊維が残るので、「そのまま抜かずに来てください」と言われることも。抜くべきかの判断に迷ったら、病院に連絡して処置法を指示してもらおう。
ワクチン未接種なら病院へ
三種混合ワクチンを接種していないと破傷風のおそれも。4〜14日後に痙攣などの症状が出るのですぐに受診を。
刺さったものを持参
太いものや長いものは骨への影響も考えられるので病院へ。刺さったものを持って行くこと。
ぶつけた
●皮下出血による青あざ
●内部の損傷
まずは冷却して一時的な腫れと痛みを和らげる。子供が落ちついてから、腫れ具合と「どこを」「何で」ぶつけたかを確認し、動かせるかどうかの状態をよく見ること。皮膚が損傷して奥のほうで出血して青あざになった皮下出血は、基本的にはこの手当てをしたら、あとは自然に治るのを待つのみ。
泣きやんでも様子を見る
お腹や胸の場合、肋骨の骨折や内臓破裂のおそれもあるので、子供がケロリとしていても注意して観察しておく。
ずっと痛がるなら病院へ
痛みが治まらない、あとからどんどん腫れてきた、動かせないといった状況であれば医師の診断を。
やけど
●赤み、はれ、瘢痕が残る
●血管や神経の損傷
体表の10%以上で生命の危険に。手のひらは体表面積の1%なので広さの目処に。頭部・腹部で20%、片腕・片足で10%。
すぐに最低10分以上は冷やす。状態によって治療法が異なるため、自己判断で薬など塗らず、手のひら以上の範囲なら必ず皮膚科か外科へ。
ねんざ・つき指
●内出血による腫れ
●骨折・腱の断裂なら変形
靭帯が伸びたり、関節を包む組織が破れたりが原因。心臓より高く上げ、氷のうで冷却すれば痛みが軽減される。
ねんざ・脱臼・打撲・骨折が複合している可能性も。引っ張ったりせず、関節を安定させる板などを当て、包帯で圧迫固定を。