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インタビュー

【スティーヴン・ジェラード】リヴァプールの英雄の父親としての姿

愛するふるさと
そこで犯した1つの過ち

少年時代のジェラードは、リヴァプール市郊外にある、ハイトンの公営住宅の少年だった。ジェラードの家庭は貧しいハイトンの街でも、特に厳しい暮らしを強いられていた。それでも父は、塗装工事や道路工事など、家計の足しになる仕事なら何でもやった。そんな父親の背中を見て育ったジェラードは父を尊敬し、2人の絆は深い。前の空き地で日々サッカーに勤しんだ。ハイトンは地元では治安が悪い地域として知られ、彼が現在、家族と一緒に居を構えている上品なフォーンビーとはかけ離れた街だ。

しかしジェラードは自分の故郷を決して忘れない。「ハイトンを見下す人もいるけど、何もわかってない。確かに荒っぽい街だけど、自分の故郷を記憶から消そうなんて全く思わない。僕は公営住宅で育った人間で、そのお陰で今の自分がいるんだから」。ちなみにそのハイトンは、ジェラードが現在、トレーニングを重ねている豪華なクラブチームの練習場から2㎞と離れていない場所に位置する。

「僕は大人から見たら生意気な小僧だったかもね。でもね、何度か廃墟のガラスを割ったことを除けば、大した問題は起こさなかったよ。警官が家に押しかたこともほとんどなかったし……、唯一あるのは、雑貨屋で文房具をつい万引きをしたこと。店を出ようとしたときに警備員に捕まったんだ。店の裏にある部屋に連れて行かれて、警察を呼ばれた。もう、おしまいだと思って頭の中が真っ白になったよ。

いつも通っていたサッカークラブにも通報されれば、退学だ。僕はそう覚悟したね。けど、幸いなことに、お説教だけで済んだ。それからはおとなしくしていたよ」。確かに万引きをしたことがあるとはいえ、ジェラードは周りに暴力をふるったり、車を盗むような不良少年ではなく、愛情に満ちた家庭に育つごく普通の少年だった。

ジェラードの家庭は貧しいハイトンの街でも、特に厳しい暮らしを強いられていた。それでも父は、塗装工事や道路工事など、家計の足しになる仕事なら何でもやった。そんな父親の背中を見て育ったジェラードは父を尊敬し、2人の絆は深い。「父はサッカーの素晴らしいところをたくさん教えてくれた。そして、過去にリヴァプールが優勝トロフィを掲げているビデオを山ほど見せられたんだ。だから僕がどの色のユニフォームを着てプレーするかということに、迷いはなかったよ」。
ジェラードは8歳になる前に、リヴァプールFCのユースチームに入ると、父は毎試合、最前列に陣取り、熱い声援を贈っていた。息子と同じユニホームを着て……。

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「あの惨事で、サッカーで成功してやるんだっていう思いをさらに強くしたんだ」

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