子育てはヒーロー級!「朝は目つぶしで起こされる(笑)」せいや流の仕事術と子育て術
2025/07/24

マーベル・スタジオ最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』で、マーベル・スタジオ作品の一言声優に初挑戦する、お笑いコンビ・霜降り明星のせいやさんにインタビュー。1児のパパであり、マーベルマニアを自称するせいやさんに、作品の見どころと子育ての面白エピソードを伺った。
1. 「欲しい特殊能力は 高速で空を飛ぶチカラ」
1. 「子どもって面白いんです。ずっとボク、笑ってるんです。」
1. 「家族との時間をつくるため 仕事は“ちゃんと”選ぶ」
2. 映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』情報
欲しい特殊能力は
高速で空を飛ぶチカラ
―― マーベルで最初に観たヒーローは誰でしたか?
2008年公開の『アイアンマン』です。今から17年前……ボクの多感な時期です。天才的な頭脳と莫大な富によって生み出されたパワードスーツ「アーマー」。アーマーは、飛行能力、強力な武器、そして高い防御力を兼ね備えて、数々の危機から世界を救います。
―― そのマーベルヒーローの原点がファンタスティック4だそうですね。
そうなんですよ!! マーベルヒーローの礎を築いたヒーローチームの活躍を描いたのが『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』です。言ってしまえば、マーベル=ファンタスティック4。ベタで、めちゃ面白いです。
―― ベタな面白さとは?
宇宙での事故で特殊能力を得た4人の“家族”が世界を救うために戦う物語なんですが、SFド真ん中、っていう気持ちよさがあります。特殊能力もみんなバラバラで、身体がゴムのように伸びたり、透明になったり、全身を炎に包んで高速で空を飛んだり、岩のような強固な身体と怪力を持っていたり。誰もが憧れる“最強!”がここにある!
―― せいやさんならどの特殊能力が欲しいですか?
全部欲しいです。でも、この前、特番撮りが1日に3つ重なったんですよ。劇場と劇場の移動とか、スケジュールがすごく大変なこともよくあって、『あー、あのビルまで高速で飛べたらな〜』ってよーく思います(笑)。
―― 『ファンタスティック4』のどんなところが好きですか?
そうですね。やっぱり他のヒーローにはあまりない常にチームで力を合わせて戦うところです。あと、やっぱ家族。家族でヒーローやってるのは、マーベルでも珍しいですから。
―― 父親になって作品の観方は変わりましたか?
マーベル作品は、『子ども愛』がすごくいいんですよ。子どもを守ろうとする姿とか、子どものために頑張る姿とか、もう“全泣き”ですよ。いままでマーベル作品では“泣き70パーセント”ぐらいで抑えてたんですけど、子どもが生まれてボクも父親になり、もう今は“全開100%泣き”です。
子どもって面白いんです。
ずっとボク、笑ってるんです。
―― 父親になる前となってから、ご自身の中で変わったこと、そして変わらないことをそれぞれ教えてください。
だいぶ変わりましたよ。人間としての視野が広くなったというか、ほんまに。例えばですけど、子育てしているお母さんを見ても、父親になる前はなんとなく想像の範囲で『大変やなあ』みたいなのはありましたけど、“なぜ大変なのか”をちゃんと言語化できるようになりました。
―― 子育ての大変さを実感されたからですね。
風邪をひいたら、子どもって熱が下がっていく2、3日は機嫌が悪くなる現象があるとか、歯磨きさせるのがめちゃくちゃ大変やとか、顔をすぐ引っかいてくるから寝てる間に爪切らなあかんとか。人間としての引き出しがすごく多くなりました。
―― 父親になって、せいやさんは『ファンタスティック4』並みにパワーアップされたんですね。
日々生きていて、他者をリスペクトできる項目が、すごく増えました。前まではこの人のここが強いとか、この人のここが面白いとか、シンプルに加点法で見てたんですが、自分が親になったら『いやーこの人、こういうところがすごいよな』って、今までとは全く違う方面からもリスペクトできるようになったというか。
―― 印象的だった最近のお子様との面白エピソードがあれば教えてください。
もうすぐうちの子は1歳7ヶ月になります。最近のエピソード、そうやなー、何がいいかな。ちゃんと選ばないと、ただの親バカになっちゃいますから(笑)。ほんまに面白いのか、自分が親だから面白いのか、ちゃんと考えてしゃべらなあかん。
―― 面白くなくても大丈夫ですよ(笑)。
いや、ずっと面白いんですよ。ずっとボク、笑ってるんです。子どもって、朝起きるのが早いじゃないですか。早く遊びたくて、頭を使ってボクを起こそうとするんですよ。めちゃ賢くて、どうするとボクが起きるのかをよーくわかってる。そのやり方が2つあります。1つが目つぶし作戦。指で目をギューッと押してくる。まずそれで起きる。もう1つが子ども用ストロー付きのペットボトル作戦。これも起きる。
―― 子ども用ストロー付きのペットボトル作戦?
ストローをボクの口の中に無理やりこじ開けて入れてきて、水を飲ませて起こしてくる。そんで目を開けると、めっちゃ嬉しそうな子どもの顔が目の前にあるんです。だから、ボク、毎朝、笑いで目が醒めるんです。
家族との時間をつくるため
仕事は“ちゃんと”選ぶ
―― お忙しい中で、どのようにご家族との時間を作っていますか?
独身のときは、“忙しいのが良いこと”という忙しさを美徳とする感覚はあったんです。でも、ほんま今は、いかに家族の時間を作るかを大事にしています。だから、本当に自分がやりたい仕事以外はもうやってないですね。出ることに意味を感じられる仕事以外は、ちゃんとお断りするようにしています。
―― 自分がやりたい仕事だけをするって、難しくないですか?
マネージャーさんとも時間をかけてよく話し合って、仕事をちゃんと選ぶっていうのをこの 2年ぐらいはすごい意識してますね。仕事をいただけることはほんまにありがたいし、幸せなことなんですけども、来たオファーで全部スケジュールを埋めちゃったら、子どもの成長を見られないなぁと。だから、ちゃんと休みは取るようにしてます。
―― 自分がやりたい仕事をするための秘訣みたいなものって、ありますか?
コツとかはないんですけど、あるとするなら、自分の心に聞くことです。ゴールデン帯の番組はギャラがいいとかと言われても、『なんかちょっと気が乗らないなー』っていう仕事はやらない。気持ちが乗らない仕事をやるんやったら、家族との思い出を残したほうがいいっていう感覚になりました。ただ、お世話になった人からの仕事は、絶対に断りません。そこはやっぱり義理と人情です。
―― 最後に読者へメッセージをお願いします。
これまでアイアンマンとかスパイダーマンとか、マーベルヒーローを観てこられた方も、観ていない方も、マーベルマニアのボクとしては、ファンタスティック4はおすすめです。マーベル・スタジオは、これまでエンタメの歴史を塗り替えた超大作を次々と生みだし、世界中の観客に衝撃と興奮の体験を提供し続けていますから、今回も間違いありません! 実は、まだ映画は観れていなんですけど(笑)。
DATA
「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」
2025年7月25日(金)日米同時公開!
宇宙ミッション中の事故で特殊能力を得た4人のヒーローチームは、その力と正義感で人々を救い、“ファンタスティック4”と呼ばれている。世界中で愛され、強い絆で結ばれた彼ら“家族”には、間もなく“新たな命” も加わろうとしていた。そんな中、惑星を食い尽くす規格外の敵”宇宙神ギャラクタス”の脅威が地球に迫る!滅亡へのカウントダウンが進む中、一人の人間としての葛藤を抱えながらも、彼らはヒーローとして立ち向かう。いま、全人類の運命は、この4人に託された──。映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は、2026年冬に公開になる『アベンジャーズ/ドゥームズデイ(原題)』に向けた重要な作品に。ついにアベンジャーズ新章へのカウントダウンが始まる!
監督:マット・シャクマン
キャスト:ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス=バクラック
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.
PROFILE
せいや(霜降り明星)
1992年、大阪府出身。お笑いコンビ“霜降り明星”のボケ担当。2018年の「M-1グランプリ」で最年少優勝を果たす。ラジオでの発言をきっかけに、「お笑い第7世代」ブームが誕生。数々のテレビ番組が制作され、お笑い界に新風を巻き起こした。現在は、テレビ番組「新しいカギ」(CX)、「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ)、ラジオ「霜降り明星のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)などに出演中。1児のパパ。
写真/松尾夏樹 文/脇谷美佳子
スタイリング/関敏明 ヘアメイク/正田篤子