【オトコの妊活塾】男性の約7割が理解不足?!生理痛と異なる「PMS」について解説
2024/11/22
「学校で身体の仕組みを学んだはずだけど、ぼんやりとしか覚えていない……」という方も多いのでは。今回は、生理とPMS、パートナーとしてできることについて解説する。意外と知られていない「性交痛」のためのサポートグッズもご紹介。妊活ライフを快適にすべく、女性のカラダについて今こそ学び直そう!
1. 「まだまだ知られていない、女性の『生理』と『PMS(月経前症候群)』」
2. 「妊娠や出産、産後も。カラダと心の変化」
3. 「生理やPMSのお悩みにパートナーとしてできること」
4. 「意外と知られていない『性交痛』。サポートグッズもおすすめ」
5. まとめ
まだまだ知られていない、
女性の「生理」と「PMS(月経前症候群)」
生理痛とPMSは別物。生理痛は生理中に起きる下腹部の痛みのこと、PMSは生理の3~10日前くらいから続くもので、生理がくると落ち着くのが特徴。
男性のみなさんは、パートナーの生理やPMSをどれくらいご存知ですか? アンケートでは生理(月経)の仕組みを「なんとなく理解している」という方が半数以上を占めていますが、正しく理解できている方はまだ少ないかもしれません。ただこれは当然のこと。日本の性教育は進んでおらず、男性が女性特有の心身の変化を知る機会はほとんどありませんでした。生理は妊活をするうえでもとても大切な指標です。まずは毎月ある生理について、正しく知っていくことから始めましょう。
そもそも「生理(月経)」とは、約1カ月の周期で繰り返される子宮内膜の出血のこと。毎月妊娠に備えて、受精卵が着床する子宮内膜が厚くなり、受精しないとこの子宮内膜がはがれ落ちて排出されます。これが生理であり、子宮が収縮するため下腹部が痛む「生理痛」が起こることも。体調や体質によって個人差がありますが、痛みが強いときは薬を飲んだり仕事を休んだりする必要もあるのです。
そしてもうひとつ知っておきたいのが、生理前の「PMS(月経前症候群)」。生理が始まる3〜10日前から、胸やお腹が張ったり手足がむくんだり、肌荒れや体重の増加、便秘に肩こり、頭痛などの不調があらわれます。イライラしたり怒りっぽくなったり、気分の落ち込みや不安感、集中力の低下、無気力になるなど、メンタル面にも大きな変化が。疲れやストレスによって症状が強く出る場合もあり、生理やPMSは夫婦間のコミュニケーションに少なからず影響があるのです。妊活は夫婦で取り組むこと。パートナーの体調には日ごろから意識を向けられるといいですね。
妊娠や出産、産後も。
カラダと心の変化
女性の心身は、妊娠や出産、産後も複雑に影響します。妊娠が判明すると、つわりや貧血、便秘など、妊娠期ごとに体調に変化が。女性ホルモンによって、乳首や脇が黒ずんだり毛深くなったり、見た目もめまぐるしく変わるのです。産後や授乳期も同様、女性はさまざまな変化に対応しながら過ごしているんです。「太った?」「乳首、黒くなった?」といった言葉がけはNG。女性の心身は変化していることを理解し、円満な夫婦生活のためにもパートナーへの理解や気遣いを心がけたいものです。
男性の意識調査!
生理やPMS、どのくらい知っていますか?
多くの女性が使用している月経管理アプリ運営企業が男性300人を対象に、「生理」「PMS」のことをどれだけ知っているのかについて調査した結果がこちら。会社では生理休暇など、女性が活躍するための福利厚生は存在しているものの、なぜ休暇を取るほどなのか、そもそもの身体の仕組みは意外と理解されていないことがわかった。妊活において、相手の健康にまつわることなので知っておくべし!
Q. あなたは、生理が起こる仕組みについてどの程度理解していますか。
Q. あなたは、PMS(月経前症候群)に対してどの程度理解していますか。
生理やPMSのお悩みに
パートナーとしてできること
月経のある女性の約70~80%が生理前に何らかの症状があると言われていて、全体の5.4%ほどの人は生活に困難を感じるほど強いPMSを示すとされている。
生理やPMSの症状は人それぞれ異なります。パートナーが不調を抱えている姿を見て、右往左往することはないでしょうか。まずは「どうしてほしい?」と聞いてみることから始めましょう。
痛みや不調への寄り添い方は十人十色、そのときどきで変わります。腰をさすってほしいときもあれば、家事をしてほしいとき、放っておいてほしいときもあります。ベストな対応を探るには、わからないことは聞いてみることが大切。普段からPMSや生理について話し合っておけば、スムーズに対応ができるでしょう。お互いを知ることで、妊活にも前向きに取り組むことができると思いますよ。
とはいえ、生理やPMS、不妊治療、出産と言った性に関する話題を話すのは難しいこともありますよね。そんなときは、性をテーマにした映画やドラマを活用することもひとつの手。作品がパートナーとの会話のきっかけになり、生理やPMSへの理解がより深まります。最近は国内外さまざまな作品を手軽に楽しめるようになりました。性をポジティブに捉えながら、正しく知り、妊活に取り組みましょう。
意外と知られていない「性交痛」。
サポートグッズもおすすめ
妊活中に関わらず、セックスのとき、女性は痛みを伴う場合があることをご存知ですか?挿入時に痛みを感じたり濡れにくくなったりするのは、「性交痛」と呼ばれる性機能障害のひとつ。年齢や体調のほか、ストレスや緊張、出産、更年期、前戯が不十分であることなど、さまざまな要因が考えられています。女性は痛みを感じても我慢してしまうケースが少なくありません。男性側はパートナーを見て「自分がダメだったのか」と落ち込んでしまうことも。気持ちよく満足できるセックスをするためには、何よりお互いを知ること。どんなときに痛みを感じるか、どうすると気持ちがいいか、夫婦で話しておくのはいかがでしょう。「ちゃんと濡れてから挿入してほしい」「動かれると痛い」など、苦痛を感じる部分や要望が見えてきます。 そのうえで、潤滑ローションやトイなどのサポートアイテムを取り入れてみることを提案します。トイで前戯が盛り上がり濡れやすくなったり、ローションによって挿入しやすくなったり、楽しみながら性交の悩みの解消につながる可能性も。パートナーと一緒に使うことで、マンネリになりがちなセックスが新鮮に感じられ、妊活にも意欲的に向き合えるかもしれません。
まとめ
★生理やPMSを夫婦で話そう。
★パートナーが辛いとき、何をしてほしいかを聞いてみよう 。
★性や妊活を楽しむには、映画やドラマ、サポートグッズも活用しよう。
教えてくれた人
古川直子さん
TENGAヘルスケアでは性教育サイト「セイシル」の立ち上げから運営、女性向け商品の企画やPRなどを担当。学生時代には心理学部で、主に虐待問題や妊娠期の母親の心理について学ぶ。
セイシル
TENGAヘルスケアが運営する性教育サイト「セイシル」。中学生·高校生が抱える性のモヤモヤに答えるべくつくられたメディアで、実際には30~40代の閲覧者も多いそう。
絵/KAORI ASAMIYA
文/Yuko Suzuki
協力/TENGA Healthcare Inc.
FQ JAPAN VOL.61(2021年冬号)より転載