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【オトコの妊活塾】スキンシップが妊活成功のカギ~適切な妊活コミュニケーション~

妊活中は不安や悩みを抱えがち。心の負担をラクにするにはどうしたらいいのか。相談先は誰が適切なのか。産後の夫婦間の適切なコミュニケーションとは。生殖心理カウンセラーの平山先生に一問一答形式で教えてもらおう。

<目次>
1. 「Q. 排卵日セックスのモチベーションを上げる方法は?」
2. 「Q. 潤滑ジェルやシリンジ法をパートナーにどう勧めたらいい?」
3. コラム「スキンシップが第二子妊活成功のカギ?」
4. 「Q. 妊活中に悩んだ時は誰に相談するべき?」
5. 「Q. 妊活の専門医をどうやって選んだらいい?」
6. 「産後の性生活に満足している夫婦のエピソード」

 

Q. 排卵日セックスのモチベーションを
上げる方法は?

子どもができると日本の夫婦は〝親密な男女〞から〝お父さん、お母さん〞の関係に変化することで、セックスに対するモチベーションが下がるのは珍しくありません。それでも第二子が欲しいと二人が思った時は、子どもを授かるためにセックスが必要と考えるのか、それとも子どもが持てることが大事と考えるのか、話し合いましょう。
もしセックスがどちらかにとって重要でなかったり、負担になるようであれば、セックス抜きで妊活を進められるシリンジ法や、人工授精なども選択肢になるかもしれません。
排卵日セックスはただでさえ〝この日〞というプレッシャーでうまくいかなくなりやすいものですし、妊活を意識しないセックスと同じように盛り上げなければと思うこと自体に無理があるわけで、女性が準備すればするほど、男性は負担を感じてしまいます。モチベーションを無理に上げる必要はなく、ある意味では〝味気ないセックス〞を受け入れることも大切です。「二人が子供を望んでいて、そのために二人で頑張っているんだよね」と了解できていればよいのです。

Q. 潤滑ジェルやシリンジ法を
パートナーにどう勧めたらいい?

性交時に痛みを感じていても、パートナーに言い出せずに苦痛をがまんしてしまっている方は多くいらっしゃいます。二人が気持ちよく満足できるセックスをするために、痛みがあることを伝え、潤滑ジェルを使うことで、もっとセックスに前向きになれるかもと提案してみてはいかがでしょうか。「セックスが嫌」なのではなく、「痛いのが嫌」なのだと枠組みを変えることで、相手にも受け入れられやすくなる可能性があります。
また、シリンジ法はセックスを介した自然妊娠にこだわる方だと抵抗があるかもしれません。ですが、共働きが多く、男性も女性も毎日疲れ果てて家に帰る状況で、深夜の妊活セックスは続けるほど二人の負担になり、夫婦仲は悪くなりがちです。
妊活のためのセックスを続けることが二人にとってケンカの種になってしまったら元も子もありません。二人の関係が良好であり続けるためにも、妊活セックスはやめてシリンジ法を取り入れるのだと理解するとよいでしょう。

スキンシップが第二子妊活成功のカギ?


弊誌が行った調査では「産前と比べての性生活に満足していますか?」という質問に対して、わずかであるが満足している人が多いことが明らかになった。その理由に「スキンシップや会話で満たされる」という声が多く見受けられた。TENGAヘルスケア社の調査でも約6割が日常的にスキンシップを行っていることがわかっている。セックスの頻度が減っても、日ごろからコミュニケーションを心がけることが夫婦間の良好な関係を築くカギと言えそうだ。

Q. 妊活中に悩んだ時は誰に相談するべき?

妊活中の悩みは家族や友達にすごく理解があることもあれば、そういった人にこそ、何気ない言葉で傷つけられることもあります。特に集団の中に生きる女性は友達グループの中で取り残されてしまって、関係性が微妙になることも。そうやって今まで仲良かった人と疎遠になっていく傾向は、不妊の方に多く見られます。
一般的に「この人に話したほうがいいよ」というのは難しいですが、大切なのは、この時期は分かってくれる人との関係を強くしたほうがいいということです。つい人は万人に分かってもらおうとしがちですが、不用意に傷つくことが多いのでおすすできません。さらに、自分を傷つけてくるのが、大事な人なのか、それほど重要ではない人なのかの見極めも大切です。私たちは意外と、深く付き合う必要のない近所の人などからの言葉にもついてしまいますが、「この人に分かってもらえなくても大丈夫。別に私の人生に関係ない」と割り切ったほうがいい。不妊というのは人生における非常事態。辛い時期だからこそ、分かってくれる人とより親密になりましょう。

Q. 妊活の専門医をどうやって選んだらいい?

施設選びで大事なのは、①自分の状態の正確な把握②妊活や子どもに関する価値観の見直し③不妊治療に過度な期待を抱かないことと考えています。まず自分の身体状態を客観視して、医療的な助けがどれくらい必要なのか把握すること。健康だと思っていても妊娠できる体であるとは限りませんし、それほど必要がないのに高度な治療を求めてしまうといったミスマッチがよく見られるからです。そして、自分たちが妊活にどれくらいの時間と労力をかけられるのか、治療をするうえで何を大事にしたいのかを見つめ直してみましょう。治療費が安いこと、通院しやすい場所にあること、医師やスタッフと話ができることなど、大事にしたいことを書きだして、それぞれに重み付けをしてみると、治療で大事にしたいことが明確になります。そのうえで口コミやホームページを見てみると施設選びがしやすくなるでしょう。どうしても不妊はつらいので気持ちで動いてしまいがちですが、妊活の意思決定ではこのように、ビジネスで培ったロジカルな考え方を意識するといいですよ。

産後の性生活に満足している夫婦のエピソード

・子育てをすることで感謝の気持ちが大きくなり、愛情が深まった気がする。セックスもコミュニケーションの一つと思えば、会話・食事・育児で多くのコミュニケーションはとれている(30代・男性)
・産後半年はスキンシップ全くなしでしたが、半年すぎたあたりから夫婦で話し合いお互いの心の内を伝え合いました。その後からは妊娠前と変わらずにスキンシップあります!(30代・女性)
・疲労等でやはりどうしても回数は減りましたが、お互いセックスをしたいという思いは持ち続けているので、気持ちの面では満足しています(30代・男性)
言葉で愛情表現をしているので満たされている(20代・女性)
・お互いが子どもの遊び相手になったり、世話を通じて接しているので特に気にならない(20代・女性)
・雑談をしたり、食事を一緒に作ったり、コミュニケーションは取れているので不満はありません(30代・女性)
・SEXはできていなくてもスキンシップの回数は多い(30代・男性)

まとめ
★セックスの回数が減ってもスキンシップや会話で性生活は満たすことができる。
★相談先のリサーチは男性ができる妊活。

教えてくれた人


平山史朗先生
生殖心理カウンセラー。不妊・生殖に関わる心理的な問題や不安を抱える人を支援している。

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絵/KAORI ASAMIYA
文/SEIKO SASAMA Editorial
協力/TENGA Healthcare Inc.

FQ JAPAN VOL.59(2021年夏号)より転載

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