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もしかして「ADHD」?親が見逃してはならない子どものサインとは

何か辛いと感じているのなら、子どもは何かしらSOSのサインを出しているはず。そのサインを親が見逃さないようにするためには、何に気をつければ良いのだろうか。心理療法士であり、小児科領域で指導者としても活躍するキャシー・プレス氏に伺った。

Case1
SOSサイン

親が子どもの悩みに気づくのは、会話のなか(もしくは意図的に話さないこと)が多いだろう。しかし、会話以外でも態度や行動に現れていることもある。注視すべきサインとしては、子どもが一人で過ごす時間が長い、不機嫌そう、元気がない、心を閉ざしているといったケースである。また、小学生の場合は、スマートフォンに夢中になっていたり、宿題をやらない、無口、過剰反応、不機嫌、人に嫌われていると言ったり、友達や家族との関わりを嫌がる、などがよくあるパターンだ。

こうしたサインが出ているときは、普段以上に声かけが重要だ。例えば、学校から帰ってきた子どもに、すぐ授業やテストの出来について問いただすのは避けたいところ。「今日学校はどうだった?」「普通」なんてありがちなやり取りを避けるためにも、「今日は何かうまくいった?」「思ってたよりうまくいかなかったことは?」というような質問をしてみよう。

そして子どもの返答に対して、すぐに親が解決策を出そうとするのではなく、「パパ・ママに何か手伝えることはある?」「じゃあ明日の学校ではどうしたらいいかな?」など、なるべく一言で完結してしまわないような質問を投げかけてみるのがポイントだ。学校での出来事や、子どもが好きな話題を選ぶと、話も盛り上がるだろう。

質問に対して子どもが悩んでいるようであれば、「落ち込んでるなら、パパ・ママに話してみる?」と、会話を促してあげよう。そして、悩みについて話してくれたら「パパ・ママはいつでも味方だからね」と安心させてあげよう。

大人であれば、周囲の人に悩みや問題を打ち明けることで気持ちが楽になることを理解しているが、子どもにはまだそのような自己解決能力はなく、困難な場面を乗り越えるための経験や知識を持ち合せていないということを忘れないようにしたい。その知識を子どもに伝えるだけでなく、親が行動でお手本を見せてあげるのも大切だろう。

教えてくれた人

キャシー・プレス

心理療法士。臨床スーパーバイザー。子どもや若者との関わりを専門とし、25年以上にわたって活躍。著書に『WhenLove Bites: 有害な、心が傷つく人間関係から逃れるための若者の手引き』。
HP:www.cathypress.co.uk

Case2
ADHDの可能性


ADHD(注意欠陥・多動性障害)の症状は実に様々で、それ故にADHDと認識されていない、あるいは診断が遅れてしまうケースもある。また、ADHDに3つのサブタイプがあるが、その特徴が入り混じっていることもあるため、ADHDかを見分けるのはとても難しい。

ADHDのカウンセラーであるサラ・テンプルトン氏は、「疑いがあるのであればできるだけ早く診察を受けることが大切」と語る。適切な診断と治療がなければ、子ども自身が自分の感情のコントロールや友人関係、勉強面でも辛い思いをすることになる。

ここでは、サラ氏がタイプ別の注意すべきサインを紹介する。もし子どもの症状に当てはまる点があるのであれば、本当にADHDと診断されるほどの特性なのかどうか、医療機関で診断を受けることをオススメする。

タイプ1 不注意優勢型

このタイプは、明らかな多動で走り回っているかを見分けるのは難しく、最も見逃されやすい。しかし、そういった子どもは大概頭の中も忙しそうにしているため、サインを見逃さないようにしたい。

□ 通知書に「もう少し集中して授業に取り組む必要がありそうです」などと書かれている
□ よく幻想にふけっているような様子が見られる
□ 宿題や音楽の練習など、やるべきことを先延ばしにしたり、やる気がないことが多い
□ 不注意で、物があることに気付かずぶつかったり、物を落としたり、壊したりする

タイプ2 多動/衝動性優勢型

このタイプは、実は集中するのは得意。そのため、通常は集中力に問題はなく、先延ばしにする癖や、やる気が起きないなどの問題もないが、持続力が足りないなどの特徴がある。

□ 飛び跳ねたり、登ったり行動的で、危険を冒すほどに自分を追い込むことがある
□ 教室や映画館などでじっと座っていることができず、常に動き回り、落ち着きがない。
□ 自転車やゴーカート、ジェットコースターなど速い乗り物が好き
□ すぐに物事に飽きてしまい、新しいことをしている。

タイプ3 混合型

①不注意優勢型と②多動/衝動性優勢型の両方の特徴を併せ持つこのタイプの子どもが、3つのタイプの中で一番多い。次のサインに注意しよう。

□ どのような環境でも集中力を欠く
□ 衝動的で、事前に考えずに発言や行動を起こしてしまうことが多い
□ 何かを諦めることが非常に難しく、固執してしまうことがよくある。
(例)ギタリストになりたいと言って、ギターのレッスンを受けるようせがむが、その2週間後にはつまらないといって辞めたがる
□ 多動性で落ち着きがなく、常に次の行動に進みたくなる
□ すぐに飽きてしまい、いつも何か新しいこと、ワクワクすることをしたがる
□ 幼い頃から不安を抱えている気が散りやすい
□ クラスの一番のお調子者である
□ 感情のコントロールがうまくいかず、拒絶されたり侮辱されることにとても敏感

教えてくれた人

サラ・テンプルトン

ADHDのカウンセラー・コーチ。CBT(認知行動療法)セラピストとしても活動する。著書に『How Not to Murder Your ADHD Kid:Instead Learn How to Be Your Child’s Own ADHD Coach』。


FQ JAPAN VOL.67(2023年夏号)より転載

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