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人間の集中力は約8秒?専門家が教える、飽きさせないユーモアのある会話のコツ

1対1のコミュニケーションでは、いかに双方で信頼と繋がりを築けるかが重要だ。聞く側との関連性・繋がりを作ることは、メッセージを伝えるための基本であり、“ユーモア”こそがその鍵となる。そう語るのは、リーダーシップの専門家グレン・サベージ氏だ 。

好感度を生み出し、
信頼を築く「ユーモア」

マイクロソフトによる2015年の調査では、人間の注意力がもつ時間は15年前には12秒だったのが、今は8秒にまで低下しているという。つまりスピーチや講演で、聞く側がずっと集中して聴くのは難しいということになる。リスナーを惹きつけ、注意力が切れる前に再び惹きつける何かが必要なのだ。そこでポイントになるのが、ユーモアだ。

2020年アメリカでの研究によると、ドーパミンは目標達成のための人間のやる気を起こし、長期的な記憶を形成する働きもしていることが分かった。また、笑いがあることによって、人間は話の全体、その一瞬一瞬、そして話し手のことを飛躍的に記憶できるようになるという。

ユーモアを使うと、他人が笑顔になったり、くすくすと笑い声が聴こえたり、周囲の反応を作ることができる。ただし、不適切な場面でユーモアを使えば、ネガティブな反応を引き起こす場合もあるので要注意だ。リスナーがどんな層なのかをよく把握し、適切な場面でユーモアを取り入れるようにしよう。

どうやったらユーモアの
センスを磨けるか?

ユーモアのセンスは人それぞれだ。家族でさえ同じユーモアのセンスを持っているとは限らない。

ただ、一つポイントとなるのが、テーマに関連したシャレで、賢くてくだらない内容のものを使うことだ。自分だけが面白いと感じるような親父ギャグは、家の中では温かい目で見てもらえるかもしれないが、仕事のプレゼンテーションには合わないと思って使用を避けた方が良い。同じく、長ったらしい漫才風のジョークも控えておこう。

ここで、イギリスの演説者・リーダーシップの専門家グレン・サベージが自身の経験でリスナーにウケた、とっておきのユーモアを紹介していこう。

驚かす
予想外の何か…例えば物語にひねりを加えたり、誇張したり、もしくは話者が自虐的な冗談を言ったりすることで笑いをとる方法だ。

関連性
人は、その部屋にある何かだったり、自身の経験、時事問題など、自分が共感できることで笑う特性があるようだ。

繋がり
プレゼンテーションのテーマに関連したユーモアを途中で挟むことで、そのプレゼンテーションの中で伝えたい大切なメッセージとの間に流れを作ると、リスナーはその後の大切なメッセージがスッと耳に入ってきやすくなる。

個人的な逸話
失敗談やびっくりするような出来事など、伝えたいメッセージに関連する逸話をサラッと入れることで、リスナーは親近感が湧き、繋がりを感じることができる。

表情の誇張
笑顔を作ったり、眉を上げたりするなど、表情を誇張することでリスナーを楽しませ、伝えたいポイントを強調できる。

ユーモアのあるタイトル
トークのタイトルが面白いと、ステージに上がる前にすでに期待感や好奇心をリスナーへ抱かせて、笑いを取ることができる。

例えば、グレンは自身の講演タイトルを「Salestraining(営業トレーニング)」から「Are you selling it or keeping it?(売りますか? 在庫にしますか?)」というユーモアのあるタイトルに変更したところ、講演の参加者数が2倍になったという。

ユーモアは伝え方がすべて
グレンは自身の経験上、ユーモアは上手く活用した時にだけ効果を発揮するという。さらなる活用のコツを見ていこう。

練習
ユーモアを自然に話せるようになるまで、全体のトークを何回か通しで練習しよう。

テスト
事前に信頼できる誰かにトークを試して、トークの中に混ぜたユーモアをどう感じるか、率直な意見を聞こう。

アニメーション化
表情や声、ジェスチャーを使ってユーモアを強調しよう。もしくは眉を上げたり笑ったり等の体の動き、声のトーンを変える等の動作をユーモアとして使ってみるのも良いだろう。

大胆に
自分の居心地が良いゾーンから一歩出て、普段は自信がなくて出来ないようなことを言ったり、実際にやってみたりしよう。そうすると、プレゼンテーションでも大胆なユーモアを使えるようになり、リスナーにインパクトを与えられるはず。

聴衆を見方につける
ニコニコと笑顔の観客や、笑い声を出してくれる観客を見つけ、自分のエネルギーに換えよう。

空気を読む
リスナーの様子を観察し、耳を傾けてみよう。誰も笑っていなければ、次に進み、臨機応変にその場でセリフを調整しよう。誰もが同じユーモアのセンスを持っているわけではないということを念頭に置いておきたい。

そして最後に…最も重要なこととは?

リスナーの笑いを自分で止めようとしないこと
人は笑うのが好きだ。リスナーには笑いを存分に楽しんでもらおう。笑いが静まるまで間を置くと、笑いが途切れることなく部屋に広がる。焦らずに自然に笑いが収まるまで待つのが肝心。

ユーモアは、ビジネスの場でも聞き手を魅了し、聞き手との繋がりをつくってくれる秘密兵器だ。ちょっとしたユーモアを使えば、自分のことを覚えてもらいやすくなるし、集中して話を聞いてもらいやすくなるだろう。今回のユーモア活用法は、ビジネスシーンだけでなく、家庭で面白いパパとしての磨きをかけるためにも是非使ってほしい。

PROFILE

グレン・サベージDTM(Glen Savage DTM)

世界的なネットワークを通じてコミュニケーションとリーダーシップのスキルを提供している非営利団体、トーストマスターズインターナショナルのメンバー。イギリスとアイルランドには同団体の400以上のグループと1万人以上の会員が在籍。会員は団体の教育プログラムに沿って、人前や即興でのスピーチや、会議の議長としてのスピーチ、時間管理などのスキルとその自信を身につけることができる。


FQ JAPAN VOL.66(2023年春号)より転載

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