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完璧を目指してはいけない? パパ料理家が教える本気を出さない離乳食作り3つの心得

新米パパにとって未知の領域である離乳食。挑戦したいけれど躊躇してしまうパパも多いのでは。そこで『パパ離乳食はじめました』の著者、本田よう一さんにお話を聞いた。

うまくいかなくて当たり前!
一喜一憂せずに経験を重ねて

出産後の女性は心身共に負担が大きく、ホルモンも乱れがち。そんな奥様の様子を見て、離乳食作りを始めたという本田さん。

「離乳食に限らずですが、パパ・ママ両方ができれば、1人の責任と負担が減ります。極端な話、目指すゴールは“ママが明日死んでも大丈夫”な状態だと思うんです」。

とはいえ、料理に不慣れな新米パパも多いだろう。そこでまず大切なのは、「本気を出さない」ことだそう。常に4~6割の力で、余裕を持つ。その余裕をどうしたら作れるかを考える。まとめて作って冷凍したり、時には家事代行にアウトソーシングしてもいい。

「常に100%だとしんどくなりますから、完璧を目指さないこと。最初からうまくいくわけがないんです。あまり食べなくても、成長曲線内であれば大事はありません。一喜一憂せずに経験を重ね、精度を高めていけばいいのです」。

離乳食について注意するべき点は、蜂蜜などボツリヌス菌を含んだものを与えないことと、アレルギー食材は1つずつ、日中に与えること。さらにもう1点どうしても伝えたいのが、子供が残したものを食べないことだそう。

子供の持つ菌は強力です。もらって親が倒れるのが1番ダメで、触れ合えない時間も増えるので、どうかご注意ください」。

また実は離乳期は、一生の中で最も短い食事期でもある。だから必要なのも数ヶ月の話。その間に嚥下、咀嚼の力が高まり、食べられる料理も日々増えるので、食べさせる役割も担って、この時だけの成長を見る楽しさも味わってほしいとのこと。

最後に、離乳食を含めた家事・育児の分担について、1つのアイデアをいただいた。

「ぜひママが完全に離れ、パパと子供だけの時間を作ってみてください。1日本気で遊んでお世話すれば、どれぐらい疲れるのか、子供が何をして欲しいのか、どんな育児・家事が必要なのかも分かります。そうして気づいた家事・育児を、得意な方がやったり、元気な方がやったり、スイッチングしていけばいいのです」。

きっと夫婦でやり方は色々だが、ベストな分担の形を探りつつ、まずは離乳食から挑戦してみてはいかがだろうか。

初心者パパにオススメ!
超簡単離乳食レシピ

基本のおかゆ

<作り方>コメを洗い、離乳食の進み具合に合わせて、10倍、8倍、4倍、2倍の水で炊く。炊き方はお鍋でも炊飯器でもOK。多めに作って小分けで冷凍しておこう。

ワンポイント
ご飯のやわらかさは炊き上がり後に加水して調節してもOK。

まるごとニンジン

<作り方>ニンジンの皮をむき、1本丸ごと水からゆでる。約1時間程度、箸がスッと通るよりさらに1段階くらいやわらかくなったら火を止める。離乳食の進み方に合わせて、ペースト、細かい刻み、5mm角、スティック状に切って与える。

ワンポイント
お味噌汁に入れたり、ご飯、ひき肉と混ぜてもOK。

教えてくれた人

本田よう一さん

料理家。1983年福島県生まれ。高校卒業後、専門学校で栄養士免許を取得。卒業後は独学で料理写真を学び、フリーカメラマンに。06年から料理家として仕事を開始。野菜をたっぷり使い、素材の味を活かしたレシピを得意とし、家族みんなで楽しめる味付けに定評がある。

著書

『パパ離乳食はじめます。』

本田よう一著/女子栄養大学出版部
離乳食から幼児食まで、パパでも頑張れるフリージングレシピと小さなご飯のアイデアを掲載。これから離乳食・幼児食作りを始める新米パパを応援する1冊だ。パパの疑問・悩みの解決法を、先輩パパの成功&失敗談を交えて紹介するコーナーも。読めば、「子育てって完璧じゃなくてもいい」と肩の力を抜けること間違いなし!


文:笹間聖子

FQ JAPAN VOL.60(2021年秋号)より転載



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