育休取得できなかったパパは37.5%!? 厚労省が育パパのためのセミナーを開催
2021/07/26
厚生労働省の調査によると、育児休業を取得したかったのに取得できなかった男性が、全体の37.5%も存在しているという。厚労省は育休取得を勧めるために、セミナーを開催。その内容を紹介する。
育休を取得したかったのに
叶わなかったパパがいる
厚生労働省の「平成30年度仕事と育児等の両立に関する実態把握調査」によれば、育児休業を取得したかったものの取得できなかった経験をもつ男性が、全体の37.5%存在している。
また、育児休業を取得できなかった理由として、「職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった」が全体の25%、「業務が繁忙であったから」が18.1%にのぼっている。
厚生労働省は、企業内で男性育休の取得促進を図るためのセミナーを開始した。現在、企業の人事労務担当者を対象に、男性社員の育休取得に伴うメリットをはじめ、男性育休の取得促進を行っている企業の事例を紹介している。
受講者が企業や職場において、育児休業などの制度の整備や見直しを進めることや育児休業を申請しやすい雰囲気づくりを進めることを目的に、積極的にセミナーを開催している。
全国でセミナーを開催し
男性の育児休業を解説
セミナーは、様々な立場の受講生がいることを想定し、「基礎編」「応用編」「若年層向け」の3種類を用意。「基礎編」は、男性社員の育休取得促進にこれから取り組む企業を対象にしたもので、受講者は、男性の育休取得にまつわる現状や制度について詳しい解説を受けることができる。
また、セミナーで行われるワークでは、「所属部署で初の育休取得者が出る場合、どのようなことを行うべきか」というテーマのもと、ディスカッションなども行う。
いっぽうの「応用編」は、すでに男性社員の育休取得促進に取り組んでいる企業に向けたもので、育休に関連した先進的な取り組みを行っている企業の先進事例、「イクボス」が実践している具体的な手法等についての解説が受けられる。
さらに、「労働時間に制約のある人も働きやすい職場にするためには、どのようなことをするべきか」というテーマに基づいたワークも行う。
なお、ここでいう“労働時間に制約のある人”とは、育児休業の取得を希望する男性社員、育児や介護を担っている社員などを指す。
最後に、「若年層向け」について。こちらは大学生や新入社員をはじめとする若年層を主な対象としたセミナーで、具体的な事例を交えつつ、育児休業制度や男性が育休を取得することのメリットについて解説。
未来のパパたちに向け、「育休を取るのは難しいことではない」「子供ができたら、ぜひ育休を取りたい」と思ってもらうことがこのセミナーの目的でもある。
パパの育休取得は
企業にもメリットがある
「男性の育児参画が普及することで、パパたちがもつ『もっと育児に参加したい』という希望が叶いやすくなります。また、職場での業務内容や働き方が見直されるケースも多くあります。つまり、男性の育児参画は、企業にもメリットをもたらすといえるのです。
すでにセミナーに参加された方々からは、『非常に参考になった』といったポジティブな感想が挙がっています。現在、若手社員や大学生に見てもらいたい動画『新米パパ、育児休業取りました』をイクメンプロジェクトサイト内で公開しています。
育休取得者の体験談から育休取得のポイントやメリットを学ぶことが出来ます。企業内の研修等でも活用できますので、一度ご覧ください」(担当者)。
PROFILE
厚生労働省 雇用環境・均等局
職業生活両立課
イクメンプロジェクト
文:緒方佳子
FQ JAPAN VOL.58(2021年春号)より転載