「育休取得よりも、定時退社してほしい……」実態調査でわかったママの本音とは?
2020/11/27
子育て支援策として奨励されているパパの育児休暇。しかし実態調査で見えたのは、育休取得の前に「定時退社」を求めるママの本音。withコロナで変化した家族の幸福度とともに、気になる調査結果を見てみよう。
実態調査で見えた“パパへの本音”
長期に渡るコロナ禍において生じている社会のさまざまな変化。子育て中のパパママの意識にはどのような影響を及ぼしているだろうか。
「育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)」は、産育休中、及び産育休から復職した女性(209名)とそのパートナー(14名)を対象に、パートナーシップに関するアンケート調査を実施した。そこにはwithコロナ時代の、主にママたちのパパへのホンネが浮き上がっている。
定時退社を求めるママの真意
まず、ママに聞いたのは「勤務形態について、パートナーに何を希望するか」という質問。結果は1位が「定時退社」で5割、2位が「フレックス勤務」で4割、3位の「今まで通りでいい」に次いで「育休取得」は2割に満たなかった。
この結果を、意外だと感じているパパは多いのではないだろうか。近年子育て支援策として、男性の育休取得が奨励され、少しずつ広がりを見せてきたところだ。しかしママたちは、パパの育児休暇よりも“定時退社”の方をより望んでいることがわかったのだ。
育児や家事はパパの育休が終わったあとも続く。一時的に助けてもらうのではなく、継続的に関わってほしいというのが本音なのだろう。
小さい頃には特に大変なお風呂や、片付けや翌日の準備をしたいときなど、夜にパパがいてくれると助かることが多い。精神的にも体力的にも、パパが早く帰ってくるとわかっているだけでも救われることもあるのだ。
ただ、回答者の43.9%が「パートナーに言いたくても遠慮してしまっている話がある」と回答しているように、相手の仕事の大変さを理解しているがゆえに、そういった本心を伝えられないママも少なくはない。
無理をして一時的な育休を取得してもらうよりも、パパが家にいられる時間が継続的に確保されていることをママたちは求めているのだろう。
家族時間の大切さを実感
そして「withコロナを過ごす中で、家族の幸福度が上がったと思ったことはあったか」の質問では半数以上が「そう思う」と回答。
幸福度が上がったと感じた出来事として、「夫との関係改善」(43%)、「家族と過ごす時間」(41%)、「子供との時間」(17%)などのフリー回答があった。また「家族で一緒に食卓を囲めた」という声も多く、在宅勤務などで「家族そろって食事をとることの大切さ」を実感できた家庭が多いようだ。
フリー回答からは、子供がパパのことをコロナ以前より大好きになったという声も。一緒にいられる時間が増え、絆を深めることができたのだろう。
この実態調査で、コロナ禍ははからずも、社会のあり方とともにパパママの幸福観にも影響を及ぼしていることがわかった。これを読んでいるパパママも、ワークライフバランスを含め、「自分たちにとって一番幸せな生活スタイル」を夫婦で話し合ってみてはいかがだろうか。
DATA
育休コミュニティ MIRAIS
〈調査概要〉
「育休コミュニティ MIRAISによる産育休者・復職者とそのパートナー計223名の実態調査 調査結果報告書」
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年8月25日〜9月7日
調査対象:産育休中もしくは産育休を経て復職した方、そしてその配偶者
有効サンプル数:223名(女性209名、男性14名)
文:平井達也