SDGsが掲げる「質の高い教育をみんなに」を実現するためには? 2030年がキーポイント
2020/02/06
10年後の2030年、あなたは、そしてあなたの子供は何歳になっているのだろうか。どんな暮らしをしているだろうか。2020年代に人類は、いくつかの大きな課題に直面すると予想されている。人類の運命とあなたたち親子の人生を別々に考えることはもはや不可能だ。
危機とSDGsがせめぎ合う時代に
2015年9月、国連総会でSDGs(Sustainable Development Goals持続可能な開発目標)が採択された。SDGsは17のグローバル目標と169の達成基準からなる。この行動計画もまた2030年までにどのような世界を作るかを構想している。
2020年代は、環境や人権を守ろうとするSDGsと、人類自身が招いた人類の危機とのせめぎ合いの時代になるのだ。パパママ世代も無関心ではいられない。
日本政府も海外、国民両方に対して説明する責任を負うことになる。今後は産業界ともSDGsをめぐって連携を強めていくだろう。
外務省のホームページにはすでに、多くの企業、団体のSDGsへの取り組みが掲載されている。持続可能性という普遍的な価値観を共有できない組織は生き残ることが困難かもしれない。ユニクロが難民支援に力を入れ、マクドナルドが環境負荷を最小限に抑えようとしているのだ。
20年代の子育てに
SDGsは欠かせない
新たな学びに関するメディア「みらいい」を運営する株式会社イノビオットは、小学生の子供を持つママ389人に子供の将来とSDGsの認知度合いに関する意識調査を行った。
「子供を社会貢献活動に参加させたいと思うか」という質問に対し、90%が「思う」と回答し、「子供に将来ビジネスで活躍してほしいと思うか」の問いには、70%が「思う」と回答した。
一方、SDGsという言葉を聞いたことがあるという回答は25%にとどまった。
SDGsの認知度がいまだ低いことが明らかになった形だ。今回はママ対象の調査だが、パパ対象であっても状況は変わらないと予想される。
2020年代の社会貢献やビジネスを考えるとき、SDGsは外せない。これは2020年代の子育てにSDGsが欠かせないとも言える。パパママもSDGsについて知って、子供とも少しずつ話題にできるよう意識してみてほしい。
人類が直面している
いくつかの危機
補足となってしまうが、暖冬が続いる原因はインド洋のダイポールモード現象だと言われている。が、地球温暖化によってダイポールモード現象が起きやすくなっているともされている。
地球の平均気温があと1.5℃上昇すると破滅的な危機に襲われる可能性が高い。破滅を回避するためには今すぐ、温室効果ガスであるCO2の排出を半減させなければならない。
デジタルテクノロジーの発展は私たちの暮らしを快適にしている。一方でAIの発達が何をもたらすか私たちは予想しきれないでいる。AIの知性が人間の知性を超える「シンギュラリティ」は2045年頃に来ると言われている。そのとき、一部のAIを使いこなす人間と、大多数のAIに使われる人間とに人類が分断されることはないのだろうか。
遺伝子工学が進歩し、疾病治療への応用が期待されている。アンジェリーナ・ジョリーは遺伝子に、乳がんになりやすい変異を発見し手術を受けた。しかし、自分や家族を遺伝子レベルで理解してしまえるのは恐ろしいことではないか。2030年には、ゲノム解析の結果を誰もが手に入れられるところまで技術が進歩する可能性が高いとされている。
そういった未来が予想されるという意味でも、SDGsについて考えていくことは子供の未来を守る上で欠かせないことではないだろうか。まずは、SDGsが何であるのかをパパママは知っておくべきだ。
DATA
Text:平井達也