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小泉進次郎環境大臣が閣僚初の「育休取得」へ! 夫婦で子育ては当たり前

小泉環境大臣と滝川クリステルさんの間に男の子が誕生した。出産直前、小泉大臣は2週間相当の育児休暇を取得すると宣言している。これに対する世間の声はおおむね好意的だが、批判もある。大臣の育休取得は子育てしやすい社会につながるのだろうか。

世論の受け止めは好意的

小泉進次郎氏といえば、38歳の若さで次期総理大臣候補に挙げられる政界のホープだ。また、環境大臣として国際的な喫緊の課題に取り組む要職にある。日本で現職の大臣が育休を取得するのは、もちろん初めてのことだ。

小泉氏は、「産後、孤独な育児で“産後うつ”になる女性が10%いると専門家から聞き、育休を取りたいと思った」と述べている。

国民の受け止めもおおむね肯定的だ。育児コミュニティサイトを運営するベビカム株式会社が、ママやプレママ対象に実施したアンケート調査では、83.8%が小泉氏の育休取得に賛成だと回答した。

賛成した人たちからは次のような意見が寄せられている。

●国が推奨している施策は推奨している側が積極的に行うべきだから。

●影響力のある人が育休を率先して取得することは重要だと思います。批判する人がいるようですが、先進国の中で育休取得を批判するなんて日本だけだと思うので、悲しいです。

●本当に取得することより、男性の育児休業についてこれだけ議論を沸かせたということが良いことだと思う。

●部下がとりやすくなる。しかし取り方が半端な感じがする。取るなら連続で取ってほしい。

●男性女性関係なく、我が子の育児に関わることは大切なことだと思います。 ブラック企業でも育休が取れる世の中になるといいな。

やはり男性の育休取得について気運が盛り上がることを期待しているのが伝わってくる。



首相が育休を取った国も

育休取得を推進する効果を疑問視する声、大臣の職務に影響がないか懸念する意見も聞かれる。

しかし、注目の有力政治家の育休となれば、なかなか男性の育休取得が進まない社会に対する説得力は大きい。

また、国会や閣議への出席が可能であること、危機管理上の問題がないことなどを前提としているので、公務への影響は最小限だろう。だからこそ首相もGOサインを出したのではないか。

反対に、ここで小泉氏が育休を取らなければ「責任ある立場にいる者は取得するな」という誤ったメッセージを発信することになってしまい、男性の育休取得に対してバックギアを入れてしまう。

武田行政改革大臣は21日の記者会見で、小泉氏に育休期間を1か月に延ばすよう求めたことを明らかにした。男性国家公務員が育休を取る際、原則1か月以上とするよう促しているのに合わせたものだ。流れはすでに良い方に向かっている。

他の閣僚では森雅子法務大臣がツイッターで「小泉進次郎環境大臣が育休取得を決断されました。大変嬉しいニュース!今や男性の8割が取得を希望。取得したい人が取得できない現状をリーダーが実践して変えていくことが不可欠。私も法務省男性育休100%取得を大臣訓示などで宣言してます!」と述べている。

世界に目を向ければ、先進的な事例がある。

フィンランドでは1998年に、当時のリッポネン首相が男性の閣僚として初めての育休を取得している。リッポネン首相は2000年にも第二子の誕生に合わせて2度目の育休を取っている。そのことが男性の育休取得が広がるきっかけとなり、今や取得率は8割を超える。

イギリスでも、2000年、ブレア首相が第4子誕生後に2週間の事実上の育休を取得し、やはり男性の育休取得推進を後押しした。



育休を経ての発言に注目しよう

注目されるのは、小泉氏が育休中の「成果」をどう説明するかだ。

一部報道では、小泉氏は赤ちゃんの「お風呂係」を担うことになったともされるが、まさかお風呂係だけで育休が終わり、ということはあるまい。経験を通して新たな命を育むとはどういうことなのか、深く知ってほしいものだ。

日本でパパママが突き当たるさまざまな壁について知見を広め、政治家としてこの課題にどう取り組んでいくのか、国民に語る責任がある。私たちに納得のいく言葉が発せられれば、この国の子育て環境が変わり始めるかもしれない。

DATA

ベビカム株式会社


Text:平井達也

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