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絵本から学ぶ感情コントロールの方法とは? 保育士や専門家からも期待の声

「怒りんぼ」「泣き虫」「怖がり屋」子供のそんな性格に困ってはいないだろうか。実は子供でも、自分で感情をコントロールできるようになる方法がある。カギとなるのは呼吸法だ。その呼吸法を絵本で身に付けられるのだ。

怒り、悲しみ、恐れを追い払う!

絵本『かなしくなったら やってみて!』『おこりたくなったら やってみて』『こわくなったら やってみて』は、感情をマネジメントできるようになる画期的なもので、今話題を呼んでいる。主人公であるユニコーンの子供、ガストンと一緒に、怒り、悲しみ、恐れの感情を自分でコントロールする呼吸セラピーを学んでいけるものになっている。

 
呼吸と感情の間には深い関係があることはよく知られている。腹式呼吸には、副交感神経を刺激する、脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促す、など精神の安定につながる効果があることがわかっている。
 
逆に不安なときには自然に呼吸は浅くなる。頭の中にポジティブなイメージを思い浮かべながら呼吸法を行うことによって、ネガティブな感情を追いやる方法を、このガストンの「呼吸セラピー」絵本は教えてくれるのだ。
 
また、保育関係者の間でも注目されている。子供自らが絵本に書いてあることを“自分でもやってみよう”と積極的になり、感情のマネジメントができるようになるのではないかと期待を寄せている。
 

 

専門家も有効性を指摘

自分の感情をコントロールすることの意義については専門家も強調している。
 
「呼吸法で感情の爆発をおさえられるようになること、『自分だってちゃんと気分を整えられるのだ』と思えることは、子供にとって大きな自信に繋がります。自信がつけば、子供自身で怒りの原因を分析したり、対策を考え、実行することもどんどんできるようになるでしょう。生きる力が大いに成長するはずです。」
 
こう語っているのは小児科医で子育て科学アクシス代表の成田奈緒子さんだ。
 
成田さんは、パパママが子供とスキンシップをとりながら一緒に呼吸法を行うことを勧めている。そうすることで子供はさらに安心感を得られるのだ。パパママ自身が呼吸法を体得することのメリットも大きい。
 
「ぜひ保護者の方にもこの呼吸セラピーをご自身で試していただきたいです。実は、子供が不安を感じる原因は、周囲の大人にあることも多いのです。周囲の大人が不安を感じていて常に緊張した状態にあり、あれこれ先回りして指示し叱るという環境にあると、子供も常にイライラしたりビクビクするようになってしまいます。子供に安心感を与えられる状態に大人が自分を整えること、子供への心配を信頼に変え、自立した関係をつくっていくこと。この絵本を一緒に読むことで可能になるでしょう。」
 

自己肯定感を高められる

日本の子供は国際的に見ても自己肯定感が低いことが問題になっている。

出展:内閣府「子供・若者白書」令和元年版

 
小中高校生を対象に調査したものだが、日本の若者・子供の生きづらさが見えてくるような結果だ。自分の感情をコントロールできないことから自己肯定感が下がり、そのことがまた怒りや悲しみや恐れの原因となる。
 
わが子には自分を愛し、自信を持って人生を歩んでいってほしい。幼い時期にネガティブな感情をコントロールし、希望をもって生きていく術を与えてあげるのはパパママの最大の役割だ。
 

DATA

ガストンの呼吸セラピー絵本


Text:平井達也

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