感染症対策できてる? “正しい手洗い”が大切な理由とは
2019/01/10
風邪やインフルエンザなどの感染症がピークを迎える、1月~2月。正しい手洗いと予防方法を実践して、ウイルスの感染リスクから子供を守ろう。
感染症は、手洗い&
殺菌・消毒でブロック
インフルエンザウイルスやノロウイルスは、気温が低く、空気が乾燥した環境で生息しやすい。冬場の脅威であるそれらの感染症から、自分や家族の身を守るには、感染ルートを断つことが必要だ。
ウイルスや細菌に感染するルートは、主に3つ。せきやくしゃみなどによる飛沫感染、直接口にすることで体内に入る経口感染、そして最も多いと言われる接触感染である。感染者が触ったところを介して感染する接触感染は、きちんとした手洗いと殺菌・消毒を行えば、最小限に食い止めることが可能。愛する我が子に触れることで病気をうつしてしまうことがないよう、正しい習慣を身に着けたい。
冬に流行する感染症
咳や鼻水を介して飛沫感染し、1~2日程度の短い潜伏期間の後に発症する急性ウイルス性疾患。例年、11月から12月上旬にかけて徐々に患者が増え始め、1月~2月にかけて流行がピークに。
乳幼児がかかりやすい、急性胃腸炎を引き起こす感染症。2月~3月にかけて最も多く発生する。約2日の潜伏期を経て、強い嘔吐、下痢症状が続く。下痢便の色が白くなるのが特徴。
下痢と嘔吐を主症状とする急性胃腸炎症状を起こすウイルスで、秋口から春先にかけて発症者がピークに。感染経路は、ヒトからヒトへの経口感染と飛沫感染、食品を介した食中毒が主。
家庭内でウィルスが
付着しやすい場所は?
●キッチン●
水道の蛇口、電子レンジ・冷蔵庫の取っ手やスイッチなど。食中毒の原因菌がつきやすい包丁やまな板は、使用前に消毒剤を。
●リビング●
照明のスイッチやドアノブ、リモコンなど。子供が感染症にかかったら、よく使うおもちゃは洗濯したり、手指消毒剤の利用を。
●トイレ●
最もウイルスが付着しやすいのが、便座や水洗レバー。中には浮遊するウイルスもいるので、便座の蓋をしめておくことが大切。
●玄関●
ドアノブや下駄箱の取っ手など。ウイルスや細菌を家に持ち込んでしまう入口のため、ここでしっかり殺菌・消毒するのがベスト。
効果的な殺菌・消毒のコツ
POINT1
外で手に付いた菌は玄関でブロック
消毒・殺菌というと、洗面所を思い浮かべるが、帰宅後の習慣にしてほしいのが玄関での手指消毒。電車の吊革、パソコンのマウス、会社のドアノブなど、外部では不特定多数の人から接触感染するリスクが大。屋外から家に入るときは、手に付着したウイルスを持ち込まないように心がけよう。
POINT2
手指消毒剤はアルコール濃度に注意
手指消毒剤を選ぶ際は、アルコール濃度をチェック。ウイルスに対するアルコールの有効濃度は、60~80%が目安。ボトルに「火気厳禁」の表示がされているものを選びたい。また、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスを含む、幅広いウイルス・細菌に有効な「酸性アルコール消毒剤」を選ぶとより効果的だ。
アルコール濃度の低い製品には、「火気厳禁」マークは付いていない。有効濃度が低いと、ウイルスなどの殺菌にはならない。
POINT3
洗う、拭く、殺菌・消毒の手順を徹底
洗って、拭いて、殺菌・消毒まで行うことで、日常生活で付着した菌(通過菌)をすべて除去することを目的とする「衛生的手洗い」を習慣にしよう。
石けん液だけの日常的な手洗いだけでは落としきれずに残ったウイルスや細菌には、アルコール消毒が有効だ。トイレのあと、嘔吐物や排便物などの処理後、食品を取り扱う直前は、手洗いを二度行うと良い。
①洗う
石けん液をしっかり泡だて、手の平だけでなく手の甲や指の間など全体を洗う
②拭く
清潔なハンカチやペーパータオルで水分を残さないように拭き取る
③殺菌・消毒
手指消毒剤を手に取り、手洗い同様に両手全体に満遍なく、乾くまで刷り込む
Illustration >> TOMOYUKI OKAMOTO
Text >> YUKIKO SODA
FQ JAPAN DIGEST VOL.47(2018年冬号)より転載