「小1の壁」打破に向けて、放課後児童の受け皿確保が急務
2018/08/03
厚生労働省が「放課後児童対策に関する専門委員会」の中間報告をまとめた。「小1の壁」をはじめとする小学生以上の待機児童問題の解消に向けて議論が重ねられ、さまざまな項目が挙げられている。
小学校でも待機児童増加
学童保育の拡充へ議論
育児中の共働き世帯が直面する問題の1つに「小1の壁」がある。小1の壁にはさまざまな要因が含まれるが、そのうちの1つに、保育園では夕方まで子供を預かってくれていたのに対して、小学1年生になると昼で学校の授業が終わってしまい、子供を預ける場所がないという問題がある。
こうした放課後の子供の受け皿としては「放課後児童クラブ(学童保育)」があるものの、女性就業率の上昇などによって、入れないケースが表面化。保育園だけでなく、小学校でも待機児童が問題となっている。
そんな現状を打破するため、厚生労働省は「放課後児童対策に関する専門委員会」を設置して議論を重ね、7月27日に中間報告を公表。待機児童問題の解消(児童クラブの量の拡充)のために、以下の4項目などが挙げられた。
●女性の就業率の上昇などを踏まえたニーズを見込み、新たな目標を設定して必要な受け皿を整備
●文部科学省所管「放課後子供教室」との連携などでは、学校に加えて児童館や社会教育施設も活用
●4年生以上の高学年児童については、児童クラブの整備だけでなく、地域の中に多様な居場所を確保
●放課後児童支援員のサポートのため、専門的な知識や技能を持つスーパーバイザーの配置を検討
そのほか、児童クラブの質の確保のため、情報公開の推進、第三者評価の実施、支援員の育成や処遇改善などについても盛り込まれた。
「小1の壁」をはじめとする小学校での待機児童問題の解消に向けて、児童クラブの量・質両面での改善が待ち望まれる。