児童虐待防止への対策強化、児童福祉司2,000人増加
2018/07/24
政府は、7月20日、2020年度までに児童福祉司を2000人増員するなどの児童虐待防止の緊急総合対策をまとめた。今回まとめた骨子を軸に、年内にも虐待防止対策を強化した新たなプランを策定するという。
児相への相談件数が倍増
「強化プラン」を前倒し
児童相談所への児童虐待相談対応件数は、2016年度には12万件を超えており、5年前と比べて倍増している。また、児童虐待により年間約80人もの子どもの命が失われているという。
こうした痛ましい現状を受けて、政府は、児童虐待防止への対策を強化する。2016年に策定された「児童相談所強化プラン」を前倒しして見直すとともに、新たに市町村の体制強化などを盛り込んだ、新しい「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を年内に策定する。
具体的には、児童福祉司を2022年度までに2,000人増員し、業務量に応じて配置を見直すほか、併行してスーパーバイザーや児童心理司、保健師も増員。さらに弁護士も配置するなど、児童相談所の体制を強化するという。
現状、配置されている児童福祉司は3,253人(2017年度の配置実績)。2,000人増えれば、1.6倍以上の大幅な人員増となる。
そのほか、児童相談所に虐待の通告があった子供について、安全確認が48時間以内にできない場合には、立ち入り調査を実施。必要に応じて、警察への援助要請も行う。
自治体の体制も強化する。市町村における相談体制を増強するため、必要な職員を確保して総合支援拠点の設置を促進するなどの支援を実施するという。
児童虐待による悲惨な事件は、もう二度と繰り返してはならない。国・自治体・関係機関が一丸となって、子供の命を守るため、児童虐待防止の取り組みを強化していく。