「ナイフで鉛筆を削る」ことで子供の脳の活性化につながることが判明!
2017/04/07
春から子供が新学期を迎えるパパ・ママ注目の調査結果が発表された。それは「ナイフで鉛筆を削ることで、子供の脳の活性化につながる」ということだが……一体なぜ?
ナイフを使って鉛筆を削ることで
学習効果の向上が期待できる
現在、鉛筆を削ると言うと電動鉛筆削りを使うのが一般的。しかし、日本でマルチツールを販売しているビクトリノックス・ジャパン株式会社と、科学教育・研究を推進している株式会社リバネスは、諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授らと共に、「ナイフで鉛筆を削る」ことでおこる子供の脳活動への影響を調査。「ナイフで鉛筆を削ると、学習効果が向上するかもしれない」ことが、調査成果報告として発表されている。
電動鉛筆削りを使う時よりも
ナイフで削るときのほうが
脳活動量は高い
今回の調査では、篠原教授が調査担当者となり、小学3〜4年生の男子3名(全員右利き)を対象に、ケーススタディーとして調査を実施。
①ナイフで鉛筆を削っている時
②電動式の自動鉛筆削りで鉛筆を削っている時
③ナイフで鉛筆削りをする前にマス計算を行っている時
④ナイフで鉛筆削りをした後にマス計算を行っている時
の状況における脳活動を計測した。
※マス計算は、脳の前頭前野を活性化させる課題のひとつと知られている計算ドリル。縦5マス×横5マスの左と上のマス目にそれぞれ0から9の数字をランダムに並べ、それぞれが交差するところのマス目に足し算の計算結果を記入した。今回は制限時間内にできるだけ多く計算を行った。
図1は、①(図1では上段)と②(図1では下段)を比較した際の結果。赤く示されているのが、脳の活動が活発になっているところだ。ナイフで鉛筆を削る時のほうが、電動鉛筆削りで削る時よりも赤く示されているエリアが多く、脳活動量が高いのが見て取れる。特に、脳の前側部分が赤いことに注目。ここには、注意力や集中力を司り、記憶や情報を一時的に保持して組み合わせるという知的活動の中核とも言える前頭前野があり、活動量が高くなっている。また、ナイフでの鉛筆削りは、左脳だけでなく右脳の活動量も高くなっていることもポイント。これは、利き手(右手)だけではなく、利き手とは逆の手(左手)のコントロールも重要だから。
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