WLBコミュニケーション術③ あなた×チーム
2015/09/28
仕事・働き方のルールは全員で作り上げよう。それぞれの意見を反映し、進化させていくことで業務が捗る体制を!認定NPO法人フローレンスが実践している方法とは?
[取材協力]認定NPO法人 フローレンス・代表理事 駒崎 弘樹 氏
業務上のルールは統一し、チームで改善していく
業務の効率化に欠かせないのが、チームで取り組むこと、そして、フォーマット化(習慣化)することです。まずは小集団でトライし、上手くいけばそれをより大きな集団へと広げていく、というスタイルがいいと思います。
小集団であれば、意思統一がしやすく、修正や改善がしやすいというのもメリットです。業務の効率化でも新たなビジネスでも同じですが、小集団から輪を広げていくときに大切なのが、〝なぜ〞の部分を明確に伝えることです。それをすることにどのような意味があるのか、意図や目的に納得できなければ、人はついてきません。当社には、こうして試行錯誤して作り上げてきたルールがいくつかあります。
例えば、社内のミーティングには、「オーナー」(決定・指示担当)、「メンバー」(必ず参加するフルメンバー・時々参加するサブメンバー)、「ファシリテーター」(進行・確認・準備・認識合わせ担当)、「ロガー」(記録担当)の4つの役割を設け、ファシリテーターとロガーは会議参加者の中から交替で担当しています。さらに、「ミーティング七ヶ条」を設け、会議が円滑かつ迅速に進行するようにしています。また、朝メールと夜メールで各自が担当するタスクの進捗状況を報告・共有し、「担当者がいなくてもわかる」という状況を作っています。
業務効率化を意識すると、メールでのやり取りが増えます。その結果、メールのチェックや返信に何時間もかかる、という状況に陥りがちです。この問題を解消するため、当社ではメールの件名に「共有/要フィードバック/依頼」といったタグをつけ、送信者が受信者に求めることを明確にしています。これを導入してから、メールにかける時間は激減しました。
これらは一例ですが、業務の効率化を図る上で重要なのが、事前にルールを決めてチーム間で徹底しておくことです。そして、そのルールを臨機応変により良いものに進化させていくことも大切です。チームのメンバーでルールを作り上げていくことが、チーム力の向上にも繋がるのです。
1. ミーティングの“4つの役割”と“七ヶ条”で会議を効率化
■ ミーティングに置ける4つの役割
1. オーナー(決定・指示担当)
2. メンバー(フルメンバー・サブメンバー)
3. ファシリテーター(進行・確認・準備・認識合わせ担当)
4. ロガー(記録担当)■ ミーティング七ヶ条
1. 会議は1時間以内。
2. 5分前集合、5分前解散。
3. ログ(議事録)はその場で書く。
4. 発議は前日18時まで。
5. タスク進捗は1時間前に共有する。
6. ファシリテーターとロガーは月ごとに交替する。
7. タスクの中間報告をする。
2. “朝メール・夜メール”でタスクの進捗状況を報告・共有
自分が担当する業務やタスクの進捗状況について、毎日朝と帰宅前にメールにまとめ、関係する社員にメーリングリストで流す。項目ごとにチェックボックス(□)を設けておき、済んだらチェック(■)を入れるようルールを決め、メール本文はコピー&ペーストで手間を削減する。
3. “メール”と“チャット”を使い分け、コミュニケーションを円滑化
メールは形式的で、あまりに短いと冷たい印象を与えかねない。そこで、即時性を要するコミュニケーションには、トーク感覚で気軽にやり取りできるチャットツールを活用。アーカイブ性を求めるときはメール、即時性を求めるときはチャットと使い分けることで、社内コミュニケーションが円滑になる。
(2015.9.28up)
FQ JAPAN VOL.35(2015年夏号)より転載