タレント・JOYが語る『“ギャル男”だったからこその価値観と子育て』
2023/01/12
数多くのバラエティ番組で活躍するタレント、JOYさん。1児の父として育児に本気で取り組み、パパたちに影響を与えたことが評価され、2022年11月、子育て雑誌が主催する「ペアレンティングアワード」で「パパ部門」を受賞した。今回の受賞を記念し、JOYさんにインタビューを実施。モデル時代のことから子育てにまつわるエピソード、将来に向けて思うことまで、幅広く語っていただいた。
日焼け肌に盛り髪の
“ギャル男”としてデビュー
JOYさんは、高校在学中にスカウトされ、男性ファッション雑誌でデビュー。当誌は、日焼けした肌や盛り髪が特徴の“ギャル男”が登場する雑誌で、JOYさん自身も“ギャル男”の姿で誌面を飾っていた。ボリューミーなロングウルフヘアで、遊び人風のファッションに身を包んだJOYさんの姿が、そこにはある。当時の自身の内面について、JOYさんはこう語る。「あの頃は、目の前にある1日を楽しむことしか考えていませんでしたね。将来のことはほとんど考えていなくて、『いずれは家庭を持ちたい』『子供がほしい』といった思いも、あまりありませんでした」。
しかし、それから10年以上が経過した頃、モデルのわたなべ麻衣さんとの電撃的な出会いを果たし、2019年6月に結婚。翌年には第一子となる女の子も授かった。子供が生まれたことで、JOYさんの内面には、どのような変化があったのだろう?「物事を決めたり行動を起こしたりする時の、優先順位が変わりましたね。結婚や子供の誕生を経験する前は、自分のことを一番に考えがちでしたけど、今は何をするうえでも、“家族のために”という気持ちが働きます」。
楽しい時間を共有し
親子の絆を実感
昨秋、2歳を迎えたJOYさんの娘は、ディズニーランドが大好き。2歳の誕生日を祝うため、家族で初めてディズニーランドを訪れたところ、その世界観などにすっかりハマってしまったそう。特に「くまのプーさん」がお気に入りで、JOYさんがプーさんの“声真似”を披露すると、大喜びするのだとか。「僕が『くまのプーさん』の大きなぬいぐるみを動かしながら、プーさんになりきって話すと、喜んで色々とおしゃべりしてくれます。自分のお気に入りの絵本を持ってきて『この本はね……』と一生懸命、説明している姿なんかが本当にかわいくて、たまらないですね」と、JOYさん。
娘と遊ぶ時、「子供が相手だから」と手抜きはしないのが“JOY流子育て”。キャラクターになりきったり、リアクションしたりする際は、全力投球することを心がけているという。「子供には、人の気持ちを敏感に察知するところがあります。大人が本気で自分と向き合っているかどうか、観察して見抜いていると思います。娘は、僕が本気で遊ぶと、すごく嬉しそうにしてくれますよ」。また、一緒に楽しい時間を共有することで、親子の絆がより深くなるとも感じているそう。
見た目だけで判断される
風潮に違和感
現在2歳の娘が、今後、どのように育っていくかは未知数。もしも10代を迎える頃、ギャル・ギャル男ブームが再来し、娘がそうした世界に惹かれるようになったら?「う〜ん。娘はまだまだ小さいので、ティーンになった頃のことはあまり想像がつきませんが、『奇抜だから』という理由で、ファッションなどの否定はしないと思います」。 こう答える背景には、“ギャル男”の世界に身を投じ、カルチャーの形成に貢献したJOYさんならではの経験と考えがある。「人は、目の前にいる人間を見た目で判断しがち。また、自分とは異質の人間のことを、分かりやすく分類しようとします。僕や僕の仲間も、派手で特異なファッションをしていただけなのに、よく『チャラ男』なんて言われていました。でも、ギャル男ファッションをしていても、真面目で純粋な人はたくさんいて。当時から、見た目だけで内面まで判断される風潮に違和感を感じていましたね」。 見た目と内面が合致しないケースは多い。そう理解しているJOYさんだからこそ、言い切れることがある。「派手で特異なファッションをしているからといって、内面に問題があったり、人に迷惑をかけたりしているわけではありません。もしも娘が将来、そうした世界を好きになったとしたら、その世界に飛び込み、楽しんで生きてほしいと思いますね」。
プロフィール
JOY(ジョイ)
タレント・モデル。1985年、イギリス人の父と日本人の母の間に生まれる。群馬県高崎市出身。高校在学中より男性ファッション雑誌の看板モデルとして活躍。その後、タレントとして数多くのバラエティ番組に出演するように。群馬県 高崎観光特使。1児の父。
写真・文/緒方佳子
ヘアメイク/梅沢優子