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子供の英語脳を育てられるのは◯歳まで! 音声だけでは学習効果はない!?

2020年度から、小学校で外国語(英語)の教科化が始まる。グローバル化が進む現在、英語を使いこなす力はますます求められている。子供の英語学習はやはり早いうちに始めた方がいいのだろうか。幼いわが子に英語に親しませるにはどのような方法があるだろうか。

英語が難しい音声学的な理由

外国語学習の難しさがどこにあるか、一つ例を挙げてみよう。

英語のstrike。日本語でもストライキ、ストライクとしてお馴染みの単語だ。しかしネイティブの発音では「スト……」ではない。

英語には「str……」のように子音が連続することがある。一方、日本語ではそうしたことはなく、子音の次には例外なく母音がつく。だから「str……」を日本語に置き換えるとき「s.u.t.o.r……」のような読みにせざるを得ない。

これは単に便宜的なものではない。日本語を使ってきた私たちは、「str……」のような音声を聞いたとき、無意識のうちに「u」などの母音を脳で補っていることが研究でわかっている。こうした音声学的な問題が、外国語学習、特に聞く、話す力の育成の妨げとなるのだ。



言語学習には臨界期がある!

イエナプラン教育とナニーのノウハウも持ったベビーシッターサービスを展開するケーバイエヌ株式会社は、首都圏在住の保育園に通っている子供がいるパパママに「子供の英語教育」に関する調査を実施した。

その中で、どのような英語教育を求めるか尋ねている。その結果、過半数が話す力、聞く力を求めていることがわかった。

話す力、聞く力を養うにあたって示唆深い研究がある。発達心理学者のパトリシア・クールによるものだ。

彼女はアメリカの赤ちゃんと日本の赤ちゃんに、rとlの音を聞き分けさせる実験を行った。すると、6~8ヶ月では差がなかったのに、その後2ヶ月ほどで、アメリカの赤ちゃんは聞き分ける力が伸びたのに対し、日本の赤ちゃんはそうはならなかったのだ。

また、アメリカの赤ちゃんに中国語を聞かせる実験も行っている。ある赤ちゃんには中国人に直接話しかけてもらう。別の赤ちゃんは同じ内容をビデオで視聴する。さらに別の赤ちゃんには音だけ聞かせる。すると、中国人に直接話しかけられていた赤ちゃんだけが聞き取り能力をつけることができたのだ!

つまり幼い子供の外国語学習は、生身の人間から行われなければ意味がないのだ。ちなみにパトリシア・クールによれば言語学習には、十分に習得できる臨界期があり、それは7歳までだ。

子供に英語を学ばせるにあたってはぜひ以上のことを参考にしてほしい。英語を教えることができるベビーシッターをお願いするのも一つの手だ。

DATA

ケーバイエヌ株式会社


Text:平井達也

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