もしかして病気? 意外と多い“我が子のおもらし”に悩む親たち
2020/02/06
子供の悩みに尿失禁、つまりおねしょや昼間のおもらしがある。本人の自尊心は傷つき、失敗を他人に知られることで心に暗い影が残ってしまう。実はこの悩みを抱えている子供は意外と多い。パパママはどのようにケアし、改善につなげてあげられるだろうか。
尿意のコントロールには個人差も
多くの子供たちは成長するにつれて、尿意を管理しトイレで用を足すことができるようになる。トイレまで我慢できるのは、無意識のうちに反射的排尿を抑える神経が、脳から膀胱に働いてくれるからだ。
いわば脳が膀胱の状態を常時監視し、自動制御する=排泄してしまうのを抑制する仕組みが出来上がるのだ。この仕組みはトイレに入って排尿しようと思った時に働きを止め、スムースに尿が出始める。 この仕組みの発達には個人差があり、早ければ3歳で完成し、遅ければ7、8歳になってもまだ完成しないこともある。
しかし、小学生の5~6%は週に1回以上、下着が濡れる程度の尿失禁があるといわれている。このような症状は、学校生活に支障をきたすことはもちらんのこと、自信のなさなど本人や家族の心理的負担に繋がるだろう。
困っている子供は多かった!
おもらしを抱えてしまう子供はどのくらいいるのだろう。ユニ・チャーム株式会社は、昭和大学医学部の池田裕一教授の監修の下、「子供の昼間の“おもらし”(昼間尿失禁)に関する実態を調査」を行い、5,186人のパパママから回答を得た。
その結果、5~15歳でおねしょ、おもらしをする子供は8.1%いることが判明した。「昼のおもらし」は4.3%で、これは40人学級の場合クラスに1~2人存在することになる。決して特異な存在ではないのだ。
就学年齢のおもらしは病院へ
おもらしの原因として当事者の子供たちは、「遊びに夢中になりトイレに行きそびれる」、「学校や園の帰りに家まで我慢できない」、「トイレに行くことを忘れたり、トイレに意識が向かない」、「尿意が急に来てトイレに間に合わない」と回答した。
それでも多くの子供が成長にともなって自然に解消していくが、中学生になっても治りきらない場合もある。中学生の当事者の多くは、緊張したりストレスがあると漏れてしまうと回答している。
トイレに意識を向けさせるために声をかけたり、緊張やストレスを取り除いてあげることがパパママには求められる。
調査を監修した池田教授は、改善するまでは周りに知られないために尿もれパットやトイレトレーニングおむつを使用することも有効だとしている。
日本小児泌尿器科学会のホームページには「排尿機能発達・尿失禁症」や「夜尿症」の解説が載っている。おもらしの原因として腎臓や膀胱の疾患が潜んでいる場合もあるようだ。わが子が小学生以上でおもらしをするようなら早めに小児科、泌尿器科を受診しよう。
DATA
Text:平井達也