無言の了解は通用しない! 家事分担に双方が納得できるためには?
2020/02/05
家事を進めるという視点に立ったとき、あなたの家庭の課題は何だろうか。また、その課題をパートナーと共有できているだろうか。家事も育児も、パートナーとチームで取り組むことが大切だ。そしてチームで進めるからには、工程をシステム化して共有することもある程度は必要だ。
パパママの信頼関係、何が作る?
社会人として組織で仕事を進める場合、目標設定、工程管理、課題の抽出、評価といったプロセスがないということはあり得ないだろう。ならば家事にはそれらは必要ないのだろうか。快適な家庭を維持していくために、パートナーとプロセスを共有することはあって当然だ。
阿吽の呼吸ですべてがうまくいくはずがない。チームの結束を固めるのは無言の愛情ではなく、言葉に裏打ちされた信頼関係だ。信頼関係が怪しい家庭が多いのでは、と思わせる調査結果がある。ドイツの家電ブランドMiele(ミーレ)を展開する、ミーレ・ジャパン株式会社が実施した、既婚男性・既婚女性計600名が対象の「夫婦の家事シェアに関する調査」だ。
やはり、家事分担にママは不満!
調査で判明した家事分担の実態はこうだ。家事の役割分担では、妻が約8割、夫が約2割の家事を担当している。また、夫婦それぞれの家事に携わる時間については、夫が155分(週平均)に対し、妻が432分(週平均)と、妻の方が平均277分(4時間37分)長い。
パートナーの家事に対する満足度を尋ね、それを時給に換算したらいくらか、という面白い質問もしている。妻への満足度に比べて夫への満足度はかなり低く、「時給」にも1,000円以上の差が出た。ママ側の、パパの家事への評価が低いという事実が浮き彫りとなった形だ。
家事にも業務改善手法は有効
もちろん個々の家庭に事情があるはずだから、家事への従事時間や「時給」が平等になることが最善ではない。重要なのは、パパママがお互いの事情を理解し合い、可能な範囲でいたわり合うことだろう。そうすれば少なくともパートナーの家事への「満足度」はそろってくるはずだ。
そのために、職業生活でなじみの課題共有・業務改善のプロセスを応用できるだろう。オーソドックスなのはPDCAサイクルだろうか。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すアレだ。まずは1週間くらいのスパンで回してみてはどうだろう。
まず、具体的な家事項目を取り上げ、実行可能と思われる1週間の計画を立てよう。実行して、1週間後に達成度をパートナーと一緒に確認しよう。改善点がわかってくるはずなので、それをふまえて次の1週間の計画を立ててみよう。大切なのは計画や評価をパートナー任せにしないこと。ちゃんと話し合って言葉で確認し合い、納得して次のプロセスに進むことだ。
もちろん家事はビジネスではないし、パートナーは同僚や取引先ではないのだから、ある程度のユルさも必要だ。ただしユルさを許容し合うのも信頼関係があってこそ。信頼関係の礎になるのは言葉での確認なのだ。
DATA
Text:平井達也